司レオ♀【女の子の魔法】 卒業したら、もうこの制服を着ることはなくなるのだ。そのことに気付き、レオはほんの少しだけ勿体無いような気持ちを抱く。
「……女の子っぽい格好とかしたら良かったかもな〜」
言葉にするつもりはなかった。誰かに聞かせるつもりもなかった。しかし、卒業式が終わった直後ということできっと気が緩んでしまっていたのだろう。気が付いた時にはその言葉はレオの口から溢れていた。
「なぁに、れおくん。今更後悔してるの?」
せめて、自分以外に誰もいなければ良かったのだが、残念なことにそれは叶わない。傍らにいた泉にはしっかりと聞こえてしまっていたようで。先程までは携帯を見ていた泉が視線を外し、こちらへと覗き込んでくる。
「う〜、まぁ……女の子らしくしてたら、ってちょっとだけ」
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