ナイトリバース いつもの時間にベッドに潜ってもなんだか眠れない。人にはそんな日がたまにはあるもんだ。
今日が正にそういう日で。俺は諦めてベッドから出るとそろりと部屋から出た。目覚ましをいくら鳴らしても起きない同居人が俺の足音くらいでは起きないだろうが、念の為ゆっくりと歩く。
【HELIOS】自体は24時間体制であるため、外に出た瞬間蛍光灯の眩しい光が俺を出迎えた。――とは言っても、いつものように人の声が聞こえることはなくどこかひっそりしていて。同じ場所にいるはずなのに、まるで来たことのない場所にいるような錯覚を覚えた。
足音がやけに響くのを感じながら廊下を歩いていく。屋上に出て夜景を眺めたら気持ちも少しは静まるだろう――と思っていたのだが。そう考えた人物はどうやらもう1人いたようだ。
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