「ねぇ江兄、どうして兄ってわからず屋ばっかりなのかな」
観音廟で金光瑤の悪事が暴かれたあと四大世家は大変な後始末に追われていた。次期宗主として一人で立つには金凌はまだ幼すぎるとの声が数多聞かれる一方、直系としての血を無視することも出来ないとの意見も根強く蘭陵金氏は大変な騒ぎになっていた。
また姑蘇藍氏のほうは藍曦臣が閉関してしまい仙督の藍忘機が宗主代理まで担う一大事に発展していた。そして清河聶氏の宗主といえば三不知の聶懐桑である。しかもこれまで彼が頼りにしてきた2人のうち1人は死にもう1人も世俗から身を隠してしまっている。残った雲夢江氏の宗主である江晩吟の肩に様々な問題が降り掛かってくることは火を見るより明らかであった。
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