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    PROGRESS記憶喪失になっちゃったよくあるディミレス。
    ぷらいべったー(2020-04-23)からお引っ越しとちょっと加筆。最初に書いたのが3年前という衝撃:( ´꒳` ):書き終わるのいつになるんだろうね。
    光の人1「ベレスが倒れた……?」
     フォドラの中央ガルグ=マクから、文字通り飛んできた急使が息を切らしてもたらしたその知らせに、ファーガス神聖王国国王ディミトリは愕然とした声を漏らした。
    「はい。何人もの医者に診ていただきましたが、誰もが口をそろえて原因不明と」
    「セテス殿やフレンはなんと言っていた」
    「自然と回復するのを待つしかない、と」
     ディミトリはどさりと椅子に座り込んだ。もう立っていられなかった。
    「そうか――」
     声と息を吐き出す。肺腑が空になるほど息を吐き、背が丸まるに任せてディミトリは腿に肘をつき手で顔を覆った。呼吸すら阻むような重苦しい沈黙が部屋に満ちる。伏せた瞼の裏に浮かぶのは、数節前に最後に目にしたベレスの穏やかな微笑みだ。信仰を預かる大司教の務めを果たすため、ガルグ=マクへと帰っていった人。あと数節と待たずして再びこの王都フェルディアへやってきて、春が来るまでここで過ごすはずだった。凍てつくファーガスの冬を温める、柔らかな光として。
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