ワタクシが猫で、アナタがネコで 終わり「こうして猫又と飼い主は再び出会えたことを喜びました……」
カナタはうんうんと頷いてから、「いい話だよなあ……」と呟いた。
「そ、そうですかね」
「そうだとも! 幻想小説時次さんの最新作、『猫又は夜に踊る』……発売おめでとう!」
カンパーイとカナタが音頭を取ると、ユンユンも「カンパーイ!」とウーロン茶の入ったグラスを掲げ、トウマは「ど、どうも」と照れ臭そうに言った。
とある少年の家にやってきた猫は実は古くから生きる猫又で、飼い主一家に悟られないよう、あの手この手で家を抜け出し、世にはびこる悪をやっつけ、改心させていく――。勧善懲悪の形はとりつつも、悪役への理解や未来への希望を残す短編集は子供向けに出版されることが決定した。
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