(おにぎりみっつ、たこみっつ。……違う、おにぎり…じゃなくてなんだっけ)
トントントンと自分の胸を叩く。落ちろ落ちろ。上がってくるな。大丈夫、俺はまだ冷静だ。
「赤葦、どーした? 喉になんか詰まった?」
薄目を開くと目の前にはキョロリとした4つの瞳。ああもう、この人が木兎さんっていうから、木兎さんにしか見えなくなってきた。よじよじと猛禽類の尖った2本の足で菅原さんの肩を登り、瞬きするタイミングまで菅原さんと同じ。菅原さんが首を傾げれば、同じように首を傾げる灰色の、意外と大きなその生き物。
可愛いですよ、可愛くない訳がない。鳥に嫉妬するのもおかしいけど、このフクロウの木兎さんは俺にはツンとした態度で指を伸ばせばバサバサと羽で威嚇するし、そうやって暴れるのも面白がって菅原さんはよしよーしと、人差し指の背で木兎さん(じゃないけど)の喉の辺りを撫でてやる。
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