Delphinium/サラエコ(現パロ) なぜかエーコは俺の家まで昼寝しに来る。
学校帰りの昼下がり。
ランドセルを背負ったまま。
慣れたように縁側から靴を脱いで上がってくる。
畳の部屋の、敷布団にタオルケットを敷いただけの簡素なつくり──ランドセルをおろし、その上に大の字になって寝転がるのだ。
「お前なぁ、自分ん家で寝てこいよ」
毎回のように嗜めても。
「エーコ、こっちがいいの。サラん家のお布団がいい」
コイツはそういうや否や。寝返り打ち、うつ伏せになり──タオルケットに顔を埋めて息を吸いこむ。
「なんだかいい香りするんだもん」
「畳の…井草の香りだろ」
これといって特別な香りは使っていない。タオルケットやシーツに使う洗剤は無香料のものだ。
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