11代目黒龍花垣武道の腹心「あれ?東卍サン?」
「なっち」
「んははッ!その顔めっちゃウケんね。あの男からなんか言われたん?」
「まぁ。…ちょっとね」
「ふーん」
素直なのは良いことだ。そう言って小さく笑う九条を見ながら、マイキーたちは目の前に広がる惨状に息を潜める。血を流し、呻く人々の真ン中にぽつんと真っ白な特攻服を、あの祭りの時と同じようにマントに変形させた九条だけが立っていた。屈託なく笑う彼のその手の中には、チームのトップが無残にも殴られすぎて腫れあがった顔をしていた。
「ふはッ…。怖いなら俺の事探さなければよかったのに」
そう言ってパッ、と胸倉をつかんでいた男を離す。呻き声を発する地面に興味すらなくしているようで、今日はどんな用かな?と尋ねた九条に、マイキー達はジッと九条を見つめるだけだった。
16037