君を評して「ブラッドリーがあどけなくて困ってるんだ」
軍人にしては少々小柄ながらも数々の伝説を持つアヴィエイターが放った言葉に、オレは耳を疑った。思わず彼を凝視するが、丸太のような腕を胸の前で組み思い悩む姿は真剣そのものだ。基地内で珍しく見かけたマーヴェリックに駆け寄ったのはつい先ほどのこと。いつもの眩い笑顔で挨拶を交わしたはずが、突然雲行きが怪しくなった。様子のおかしい上官の対応に迷っていると、少し下の位置から再度つぶやきが聞こえる。「あんなに無防備であどけなくて大丈夫だろうか?」
……よし、聞かなかったことにしよう――上官に対する態度としては決して誉められたものではないが、独り言かもしれないし、口を挟まれては逆に迷惑かも知れない。大分苦しい言い訳を胸に、用事を思い出した体でその場を去ろうとしたが、
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