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    januar00kate99

    @januar00kate99

    気ままに絵とか文とかアップロードします。
    (頻度高:YGOゴッズ滅四⭐︎)

    人を選ぶ内容があるため、キャプションはよくご確認ください。
    Don't re-upload.

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    POIPOI 18

    januar00kate99

    PASTまだ平穏だった頃の未来の話。
    カードショップで働く「僕」は、困っている様子の客に声をかけた。
    彼は、生まれたばかりの息子に贈るデッキに迷っているようだ。

    ※未来の世界の一般人視点のお話。
    ※Sinデッキが未来で普通に販売されていたデッキだったら?という妄想です(カード効果はアニメ版に準拠)。
    ※パラドックスの家族に関するあらゆる要素を捏造しています。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    とある父親の贈り物 街も微睡む土曜の昼下がり、僕が働くカードショップにも、ゆったりとした時間が流れていた。だからなのか、僕はさっきから、落ち着かない様子でガラスケースの中を眺める一人のお客さんのことが気になっていた。彼は三〇分ほど前に来店して以来、この狭い店内をぐるぐると歩き回ってはカードを吟味し、困ったようにため息をつくということを繰り返していた。
     はぁ、とまた小さくため息の音が聞こえる。僕はついに声をかけた。
    「お困りでしたら、お手伝いしましょうか?」
    「良いのかい?」
     俯けていた顔を上げ、その人はぱっと表情を明るくした。鮮やかな金の瞳が、安堵したように細められる。
    「何かお探しでしたか?」
    「実は先日息子が産まれたんだが、初めて贈るデッキを何にしようか、迷っていてね」
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    januar00kate99

    PASTアポリア合流直後の生前滅四星の話。
    アーククレイドルにて、ピアノを見つけたアポリアは、演奏しようと試みるが……。

    ※アポリアが子どもの頃にピアノを習っていた設定です。
    ※他作品と設定を共有している部分があります(同じ世界線かもしれないし、違うかもしれません)。
    ※未来の世界に生きた一般の人びとが登場します。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    音階は消えず そこには、一台のピアノがあった。
     幻ではなかろうか、とアポリアはもう一度、よくよく部屋の中を覗き込んだ。明かりが落ちた室内に通路からの光が差し込んで、黒く滑らかな楽器の表面を浮かび上がらせている。
     それはほんとうにピアノだった。
     アポリアは我知らず、部屋の中に足を踏み入れていた。ピアノなんて、もう随分見ていなかったからだ。
     アポリアがこの部屋を見つけたのは偶然だった。ここに慣れてもらうためにも散策してきたらどうですか、Z-ONEにそう言われて、足の赴くままにアーククレイドル内を歩いていた。固く閉ざされた扉が延々と並ぶ通路を進むうち、アポリアはひとつだけぽっかりと口を開ける扉に気づいた。そうして覗き込んでみれば、幼い頃に慣れ親しんだ楽器がそこにあったというわけだった。
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