休憩するざんにこ(side nk)部屋の中に漂う淫靡な雰囲気。
甘ったるくて、強めの芳香剤の香り。
僕はあまりにも大きすぎるベッドの真ん中で吐き気と戦いつつ、この状況をまだ飲み込めずにいる。
思えば僕は昨日の夜から妙にソワソワして眠れなかった。
理由はただ一つ。
斬鉄くんとデートがあるからだ。
デート、と思っているのは僕だけで実のところ斬鉄くんがどう思っているか分からない。
けど僕はそう思っていて、斬鉄くんと2人きりで出かけるという初めての経験に妙に気持ちが昂って眠れなかった。
何度も何度も寝返りをうち、ソワソワしていた僕は、結局ほとんど眠れないまま朝を迎え、待ち合わせの時間を迎えた。
待ち合わせ場所には早めに着いたつもりだけど、斬鉄くんは予想に反してすでに待ち合わせ場所にいた。
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