夢に焦がれた小夜啼鳥は。④(完)「この家で殺人事件、ですか?」
「はい。大家さんなら何かご存じないですか?多分、そんな昔の話ではないと思うんですけど」
夢の中で発射された銃弾の痕跡が現実で見つかった。
つまり、あれは全て実際に起こっていた出来事で、ライもバーボンも実在しているということになる。
そして、ライが死んだという事実も。死体が発見されたならニュースに取り上げられている可能性も考えた。が、銃殺した遺体を事故死に偽装するとなると手間がかかる。手っ取り早いのは何処かの山林にでも埋めるか海に捨てるかして失踪という形に収めることだ。
バーボンなら、どうするか。恐らく彼なら、組織を欺くために下手に発見されるリスクを背負って遺体を遺棄するよりその時が来るまで自分の目が届く場所に留めておくだろう。そう考えると、この家の何処かに死体を埋めたという線が一番濃厚だ。
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