「……はぁ……」
今日も一人。
人が賑わう神社、周りを見渡せば家族や友達やカップルで来ている人ばかりで俺みたいなやつは当然、浮いた存在。
「なんでこういう日まであの人は仕事なんだろう……」
本当だったら守沢先輩と二人で初詣に行けるはずだった。なのに、現場側のミスで突如ドラマの撮影をやり直す事になってしまったらしく、演者やスタッフの予定が合う日が今日しかないという理由で守沢先輩は仕事を選んだ。……それはそう、当たり前なんだけど、最近中々会える日がなかったから久々に話せると思って楽しみにしてたのにな……。
そんな寂しさとか悔しさとか恨みとかを一旦忘れることにして、御賽銭に俺があの人に抱えてる気持ちの分お金を入れて、神に強く祈った。
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