It might be a good morning「シーン、シン」
誰かが俺を呼んでる。
「シン!」
誰か、誰かじゃない、ジャーファルだ。頭の上から降ってくる、ジャーファルの甘ったるい、俺を呼ぶ声。
「まあた、もう、裸で寝るなって言ってるのに」
うそだ、全然甘ったるくなんてない。むしろちょっと怒っている。枕に埋まって聞こえないふり。
「ちょっと、シン、聞いてますか?」
「んんん」
ジャーファルがもぞもぞと布団の中で動くから、ほら、隙間から冷たい空気が。寒い、肩が寒い、やめて。
布団を引っ剥がされないように端っこを握りしめてぎゅっとうずくまる。完全防御の姿勢。俺はまだ出たくない、この温かな布団のぬくもりに包まれていたい、のだ。
「あ」
しまった、今何時だ。スマホ、スマホはどこだ。目が開かない。
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