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    海老🦐

    しんじゃのSSまとめです。

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    海老🦐

    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 10-2
    これで最後です。
    おつきあいくださりありがとうございました!
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     ちょうど改札を出てくるところだった。手を振る前にこちらに気づいて、へらっと笑った顔がかわいかった。シンの、そういうちょっとした仕草が愛おしくてたまらない。
    「二次会、ジャーファルも来ればよかったのに。三年も結構来てるやついたぞ」
     駅構内にはまだ人がたくさんいるのに、シンは構わずに抱き寄せてくる。人前だろうがなんだろうが隠れたりしない。
    「いやですよ、だって絶対シンが酔ってべたべたしてくるもん」
    「なんでだよ、別にいいだろ。俺、みんなの前でおまえとつきあってるって言ってもいいよ。むしろ言いたい」
    「ぜったいにダメです」
     むーーっと口を尖らせて寄せてくる顔をブロックして体を引き剥がす。シンは抵抗ないのかもしれないけど、わたしはさすがにちょっと人前は。
    「ええ、何それひどくない? 俺とつきあってるって知られるのやなの?」
    「嫌ですよ、ゼミの中だけでもあなたのこと好きな女子が何人いると思ってるんですか? あなたは卒業したら関係ないかもしれないですけど、わたしはまだあと一年あるんですよ? いたたまれないですよ、そんなの」
    「へえ、ジャーファルってそう 4653

    海老🦐

    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 7
    現パロ大学生シンジャです。続きです。

    おそいうけ~~
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    「ちょっ、ちょっとシン!?」
     わめくジャーファルを引っぱってエレベーターに押し込む。閉じるボタンを連打すれば、ゆっくりと扉が閉まってエレベーターは静かに上昇し始めた。もう逃げ場はない。それでも俺は手を放さない。
    「痛い、はなしてください」
    「はなさない」
     狭い箱の中で向き合う。俺は口を真一文字に結んで押し黙ったままでいる。明らかにジャーファルは戸惑っているけど、そんなことはどうでもいい。スマートフォンが鳴る。俺のじゃない、ジャーファルのだ。掴まれていない方の手でバックパックのポケットから引っ張り出したスマホを、俺はすかさずジャーファルの手から取り上げた。
    「あ、待って」
     鈍く光っている画面を見る。知らない名前だ。たぶん準ミスだろう。
    「返してください」
    「だめ」
    「さっきの彼女からです」
     だからだめなんだろうが。俺が答えないでいると、諦めたのかジャーファルはため息を一つ吐いた。
    「一体どうしたんですか、いきなりこんな」
    「おまえ、あの子とつきあってんの? 俺と別れて」
    「はあ?」
     ジャーファルは思いきり眉根を寄せた。
    「俺の代わりにあの 5976

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    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 6
    現パロ大学生シンジャです。続きです。

    準ミスに告られたことが学科内に知れ渡っている男、ジャーファル。
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     その後、俺は自分からジャーファルに連絡できずにいた。連絡したとして何て言えばいいのかわからなかったし、向こうからも連絡はないまま、時間ばかりが過ぎていった。忙しさのせいにして俺は考えることをやめてしまう。運がいいのか悪いのか、学校で偶然出会うこともなかった。

    「あ、シンドバッドさんだ」
    「お久しぶりですー」
     研究室の前にゼミ生が集まっている。何人かが俺に気づいて手を振った。
    「久しぶり、どうしたの?」
    「レポートの提出期限なんです、今日」
     そう聞いてゼミ生たちの中に無意識にジャーファルの姿を探してしまう。けど、見当たらない。
    「ジャーファルは?」
    「ジャーファルくんですか? 今日は見かけてないですよ。レポートは先に提出したんじゃないかな」
    「へえ、相変わらず真面目だねえ」
     いないとわかるとなぜかほっとする。探したくせに。もしいたとしても、どんな顔で話しかければいいのかわからない。だからといってこのまま無視し続けるわけにもいかない。結局、自分から連絡するしかないのか。もうすぐ冬休みだ。年が明ければテストが始まって、その後は長い春休み。偶然 7407

    海老🦐

    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 4
    現パロ大学生シンジャです。続きです。

    SAN値が下がりそうなモブ女がたくさん出てきます。苦手な方はそっと閉じてください。
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    「それって何の話?」
     さっきから楽しそうにきゃいきゃいはしゃいでる女の子たちの横で缶ビール片手に大鍋の中でくつくつ煮えているカレーをかき混ぜながら、けど、彼女たちの会話の内容はほとんど聞いてなかった。ええと、たぶんゼミの男子生徒の名前を上げては盛り上がっていた、ような気がする。
    「だから、うちのゼミでつきあいたい人は誰かって」
    「ちゃんと聞いててください」
    「あ、ごめん」
     ものすごくどうでもいい話題だな。それ、俺にふるような話か? とりあえず適当に愛想笑いしておく。カレーは、もうこんなもんでいいだろう。しかしすごい量だ。
    「カレー、もういいと思うよ」
    「ほんとだ、おいしそう」
    「私はシンドバッドさんがいいなあ、だめですか?」
     紙皿を握りしめ、女の子の一人がちょこんと頭を傾けて覗き込んでくる。あざといな。
    「え、何が? カレーいらないの」
    「だから、つきあうならって話です」
    「私も、私も」
     わらわらっと集まってきた二、三人に取り囲まれる。俺とつきあいたい人~とか言って、手を上げた女子全員とつきあうのか。無理。興味もない。
    「俺はゼミ生じゃな 5776

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    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 3
    現パロ大学生シンジャです。続きです。

    前回から間があいてしまってすみませーん!
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     俺は本当にばかなんだと思う。もう二度と酒なんか飲むべきではない。何やってんだ。
    「なら俺とつきあってみる?」
     じゃない。つきあってみるわけがない。いくら酔ってたからって、何であんなことを言ってしまったんだろう。ジャーファルだってジャーファルだ。そんなの、何ふざけてんですかーとか、適当に笑い飛ばしてくれればよかったのに。大体つきあうって何だ。何をするんだ。あいつと俺で。自分で言っておきながら何もわからない。想像しかけて途中でつらくなる。それはあり得ない。俺は女の子が好きだ。かわいくてやわらかくて華奢で抱きしめたらいい匂いがするような女の子が好きなんだ。
     ああ、ジャーファルも同じように酔っ払ってて、都合よく全部忘れてくれてればいいのに。今はその可能性にかけたい。

     そっと研究室の扉を開けた。おそるおそる覗き込むとパソコンモニタの向こう側のジャーファルと目が合った。俺に気づいたジャーファルは恥ずかしそうにためらいがちにちょっとだけ微笑んで、それからさっと視線を手元の資料に戻してしまう。耳たぶが赤い、ような気がするたぶん。
     俺は心のなかで二十回 7218

    海老🦐

    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 2
    現パロ大学生シンジャです。続きです。

    ほんとシン様が女の子にだらしないので、苦手な方は避けてくださいー
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     研究室の冷房はいつも効きすぎていて、長時間籠もっていると外がどんなに猛暑でも手足が冷える。俺は特に、素足にサンダルだし。
    「はい、どうぞ」
     紙袋から取り出したホットコーヒーの紙コップをキーボードの横にちょこんと置くと、ジャーファルが顔を上げた。眼鏡の奥からこっちを見上げる目が真ん丸だ。
    「え? あの」
     明らかに戸惑っている。
    「この間のお詫び。せっかく誘ってくれたのに断ってごめんな」
    「そんな、お詫びだなんて。こっちがお礼をしたかったのに」
    「いいの、いいの。この部屋寒いだろ? ホットの方がいいかなと思って」
     ためらいがちに手を伸ばして紙コップを手に取る。ジャーファルがふわっと笑った。またあの笑顔だ。なんでかそれを見て安心した。
    「ありがとうございます、嬉しいです」
     ジャーファルはおずおずと両手で持ってふーふーしながら口をつけた。女子かよ! 喉まで出かかった突っ込みをごくりと飲み込む。蓋に小さくくり抜かれた飲み口からいくら息を吹き込んだところで無駄だろう。
    「ところで教授は? もしかしてお昼行っちゃった?」
    「いえ、出かけてます。戻りは 3879

    海老🦐

    DOODLE院生シン様×学部生ジャーファル 1
    現パロ大学生シンジャです。続きますがたぶんあんまり長くないです。
    できてないシンジャがつきあうまでのうだうだです。めっちゃ軽いやつです。

    ■ご注意ください
    ・しばらくは全年齢ですが最終的にがっつりR18になります。
    ・シン様が女の子とっかえひっかえしてるしチャラいです。
    ・うちのジャーファルなのにあんまり塩じゃないです。(これ注意書きなのでしょうか…)
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    いつもつまんなそうな顔しているやつ。

     それが第一印象だった。
     積み上がった資料の砦に埋もれながらゼミ室の隅っこでパソコン画面を睨んでいる姿、図書館の閲覧室で閉館ぎりぎりまで分厚い論文集をめくってる姿、あとは、あとはもうない。記憶にない。
     担当教授が同じというだけの共通点。世話になっている先生の受け持っているゼミの生徒で、助手を頼まれてゼミに参加したときと、研究室に顔を出したときにちょっとすれ違ったくらい。俺は院生だったし向こうは学部生で授業がかぶることもない。ほとんど接点はない。
     授業ではいつも最前列に座って真面目にノートをとっていて、飲み会にはほとんど顔を出さない、珍しく参加しても端の方で親しいごく二、三人とだけ内輪で話し込んでいる。そんなイメージ。
     同級生は揃って「真面目だよな」と評価した。
     そうなんだろう、実際。だけど正直、顔すらろくに思い出せないくらい。それだけの存在だった。

     だから初めてまともに喋ったとき、こんな顔で笑うんだということに驚いた。

     夏休みの真っ最中だった。朝からうだるように暑い日で、明け方まで飲んでた 4994