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    Szme_me

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    MAIKING先生の誕生日話だったやつ今夜、訪ねてもいいですか。

    エミリーがそう尋ねられたのは試合の真っ最中だった。
    「訪ねて…って…」
    すぐ隣にいるのは最後の一台を淡々と解読している納棺師。言葉を発した彼だ。
    空軍が上手く引き付けているおかげで通電までは難なく運べそうだった。もうひとりのメンバーである探鉱者には先に反対側のゲートで待機してもらっている。
    だから、たまたま近場に居たふたりで最後を回していたところだったのだけれど。
    「え、っと……」
    真意を測りかねて、返答に詰まってしまった。しかし、がたんばたんと暗号機を揺らしている姿は先ほどの言葉などまるでなかったかのよう。視線のひとつもくれやしない。真剣な眼差しで黙々と取り組んでいる。
    (もしかして空耳だったのかしら?)
    変に期待しちゃって恥ずかしい、と少し赤くなった顔を下げ、エミリーは口を結ぶ。
    (試合中なのになんてこと。集中しなきゃ!)
    最後の一台というのはとても緊張する。それまでが例えどんなに順調でも、一歩間違えれば形勢は一気に傾いてしまう。…マーサが頑張ってくれている分も、誤るわけにはいかない。
    「イソップくん、最後は」
    私がするからあなたもゲートへ、など皆まで 3357

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    MAIKING初期のバレンタイン 途中まで⚰️💉二月十四日。バレンタイン。

    今年もまた、この荘園はどこもかしこも甘い香りで満ちている。
    そんな多くの義理と少しの本命が入り交じるこの日、一際甘い一室にふたりはいた。
    「先生、まだですか?」
    「まあ! まだ五分しか経ってないわよ!」
    シンクの台に置いたタイマーはさっき押したばかりだ。彼もそれを知っているのに─押した張本人だというのに、なにを言っているのだろう。
    「もう…そんなにすぐは出来上がらないんだから」
    「それは、分かってるんですけど……」
    くす、と微笑めば彼はがっくり肩を落とす。珍しく幼子じみた様子がちょっと…いや、だいぶかわいい。
    (こんなこと言ったら「子ども扱いして!」なんて拗ねてしまうから言えないわね)
    作っているのはガトーショコラだ。
    なにを隠そう、本命用。勿論宛先はイソップ・カール─去年のこの日、私のこ、こい、…こいび、こ、恋人……になった納棺師である。
    そんな彼に本命以外、渡すものがあるはずない。のだけれど─去年と違うのは箱も包装紙すらも用を成さないというところだ。
    (まあ、去年は自分で箱を開けちゃったんだけど)
    だからこそ今年は気合いをいれなきゃ、と早めに注文を済ま 2489

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    DONEチョコレート・デイ(なんだかやけにそわそわしているな)
     とは、今日の彼女を見て一番に感じたことだった。
     ドアがノックされる度に肩を揺らす。そして入ってきた人間の持っているものがただの書類だと分かれば、傍目から見ても明らかな安堵の溜息。
     しかし、これが箱だの紙袋だのであれば、気にしないようにしながらも横目で様子を窺っている。そして、出てきたものを確認しては「ちがった…」と一言だけつぶやいて、やはりほうっと溜息を吐いていた。
    「─サイン助かるよ、イソップ」
    「…っえ? あ! ああ……いえ……」
     さしあたって今日の仕事はこれぐらいかな、と指折り数えるイライに頷き、観測者と呼ばれる彼に謝意を込めて片手を上げた。が、視界の隅で捉えていた蛍の一挙手一投足に気を取られていたおかげで微妙に空いてしまった返答に笑われてしまう。
    「“観測”は僕の十八番なんだけどなあ!」
     潜めた声でふふ、と笑う単眼鏡がきらりと光った。そういえばここの文面なんだけど、ともう用はないはずの書類を再び広げ、そっと身を屈める。とん、と指先を置くのと同時に、然り気無さを装って近づいた薄い唇から紡がれたのは「今日はとっても良い日になるよ」との 9858

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    MOURNINGクリスマスもお正月も欲張りセットした結果、遠い日に過ぎ去った現パロいそえみ明けましておめでとうないそえみ
    それぞれ飲み会。終電逃したいそが電話しながら先生の家へ。
    先生も迎えに駅へ。
    二人が途中で出会うとか、かわいい。



    がやがやと、やけに騒がしい。
    電車を迎えるという大事な仕事。それを今年は全て果たした駅の横を早足で通りすぎながら、イソップ・カールはマフラーを口元に引き上げた。
    普段なら閑散としているこの時間。それなのに今日はまだたくさんの人でごった返している。終電を降りたばかりの若い女性は家族の迎えに手を振り、年の瀬まで働いていたらしいサラリーマンは安心したのかほっとため息をついていた。職場で年を越さずに済んで良かった、というところだろうか。
    そんな彼らから少し視線をずらせば、駅前のコンビニで赤ら顔の集団がハッピーニューイヤーと叫んでいた。肩を組んで道幅を広く陣取り、通行人の迷惑と引き換えに実に楽しそうだ。
    (まったく、ハッピーニューイヤーなんて…)
    除夜の鐘が響くまでまだ二時間も残しているというのに随分と気が早い。
    左手首を見れば、真新しい時計が正確に時を刻んでいる。黒い文字盤のそれは、贈られていくらか日も過ぎたが未だ見慣れず、くすぐったい。そして 2683

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    MAIKINGやっぱ初期すきだな、って思いながら。世界線はいそぺの初恋と一緒かな……………ひとり静かに泣いている先生を見かけるいそ



    見つかったのがカールさんでよかった。彼なら騒ぎ立てることもしないだろうし、口外もしないだろう。…こう、気を遣って、というタイプでもない。気がする。まだあまり話したこともないのに失礼だとは思うけど……。周りから一歩引いた姿、寡黙で俯きがち。表情はマスクに覆われていて分かりづらいけど、変化は乏しい。
    だからって見られてしまったのは良くなかったわ。滅多に人も来ないからいい場所だったんだけど…。

    部屋に戻ろうと、薬品を片手に立ち上がる。
    ドアの横にある小さなテーブルに畳まれているハンカチ。来たときにはなかった。
    縫われているイニシャル。取り上げて、ほのかに香るのは薔薇。覚えのある人物はひとりだけ。
    要らなければ捨ててください、と添えられた走り書きのメモ。
    (─ああ、私って大馬鹿ね)
    声をかけるだけが優しさではない。寄り添うことが重要なわけでもない。彼は、彼なりに考えて、気を遣ってくれたのだ。
    今の私に声をかけるでもなく。無理に寄り添うこともなく。ただそっと、涙の跡を隠せるように、と。
    (やさしいひとね)
    ぽうっと、胸の内にほのかな暖かさが灯る。 980

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    MEMO宴会ちゃんを書くに当たって頭の中にいるふたり。と、その雇用主たち。侍女
    いわゆる人魚。魚人と言ったらおこる。めちゃくちゃおこる。魔の者としての地位は低い。が、医術に長けているし、歌で自滅させられるとも知られているから脅威。伯爵の一番最初の侍女。執事にはまだライバル心抱いてる。私の方がよくここを知っているのに!でもなんでもそつなくできるのよね……はあ…見た目も悪くないし……涼やかな視線は嫌いじゃないし……なんだかんだ、助けてくれるし……っていやいや。まるで私が彼を気にしているみたいじゃない!これじゃあ!そんなことない、そんなことないんだから!って毎日つい追いかけてしまいそうな視線を抑えるのに必死。

    伯爵
    気紛れで有名。霧に紛れて相手を欺く。血も好きだけど人によって味が安定しないからワインの方が好み。手土産は珍しいワインがおすすめ。もちろん赤。義娘かわいい万歳!!!!!!!!!!
    前職について知ってはいるけれど優秀な者は手に置いといて不利になることがない。というわけで、初対面の上になんてあほな、という執事の申し出を受け入れた。あと単純に面白がってる。ハハハハハ!うちの執事は押しが強いし、うちの侍女は強情ですねえ!

    お嬢様
    伯爵夫人、と見られているが実 953