構ってルシファーめ、私というものがありながら、アヒル作りに夢中になって全く構ってこないとは。
私はベッドに寝転がりながら、乾き切った赤い目が制作途中の変なアヒルに釘付けになっている様を眺めていた。時々笑い声をあげつつ、なにかブツブツ呟いている。
私は眉をひそめ、小さな後ろ姿を睨みつけた。同じ部屋にこんな魅力的な私がいるというのに、まるでその黄色い小鳥以外見えてないというような態度、気に入らない。いい加減こっちを向け!
しかしルシファーは私の視線に気づかず、奇妙な創作を続けている。私は溜息をついてベッドから起き上がった。愛する愚かな王に、今日だけ特別に大サービスだ。
ルシファーの元までゆっくりと歩いて膝立ちになったあと、後ろから手を回して抱きつき、体を密着させた。細い体がピクリと揺れる。私はその反応に気を良くして、白い首元に擦り寄った。とくんとくんと脈拍が伝わってくる。トドメに耳元で甘く囁いてやれば、ルシファーは持っていた器具を机に置く。コンと音が響いた。
3278