Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ししるい

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 6

    ししるい

    ☆quiet follow

    短い

    アダリュ+ルシアダ 何もない真っ白な空間に、仮面をつけたリュートが立っていた。私は彼女のもとに駆け寄る。もうずっと会えていなかった。

    「リュート!」

     私は地獄でどれ程酷い目に合ったか話そうとしたが、喉仏に剣をつき刺されそうになってできなかった。リュートを見ると、彼女はいつの間にか仮面を外していて、目には涙を浮かべていた。

    「地獄に堕ちた天使は、殺さなければなりません。たとえ、ボスでも」

     剣を握る手は震えていた。鋭利な剣に弱々しいリュートはミスマッチだ。私は彼女から剣を奪い取ると、自分の首元に近づける。そして、一思いに血をぶち撒けた。辺り一面が金色に染まる。意識がふっと消え去っていった。彼女がそのとき、どんな顔をしていたかは見えなかった。


     真っ暗な部屋で目が覚めた。体中が痛くて起き上がると、床の上にいることに気がつく。ベッドから落ちてしまったようだ。のそのそとベッドに戻って寝転ぶ。そこには小さな体を大きく広げたルシファーが眠っていた。なるほど、彼のせいで私はおちてしまったのか。
     不思議と怒りは湧いてこない。むしろ、彼に愛おしさすら感じる。眠気のせいで頭が正気じゃないのだろう。まあ、いいか。私はルシファーの細い腕を胸に抱いて目を閉じる。眠る直前、誰かに頭を撫でられた気がした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💖😭😭👍👍💘💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    torimizm

    DOODLEカイオエを全力で応援している賢者の夢の世界の話
    賢者は因縁の夢をみる ああ、これは夢だと思った。明晰夢というやつだ。明晰夢では自由に動き回れるなどというけれどこの夢の中に賢者である自分はおらず操れる身体はない。いわゆる神の視点というやつで光景を見守っていた。
     登場人物は二人と二体と一頭。合計五つ。その中で固有名詞を持つのは二人と一頭だけだ。よくわからない場所で、何やら緊迫したムードで、因縁の称号を持つ二人が謎の黒い大きな何かと派手に戦闘をしていた。二人は二体のうち一体を受け持ち、ケルベロスが残りの一体と相対している。
    「ちっ、分が悪い……」
     結界を張ったり攻撃したり攻守をバランスよくこなしながらオーエンが舌打ちをする。カインもオーエンの動きに合わせて敵の死角から魔法を放ったり剣で斬りつけたりといい動きをしていた。かつて目玉を奪い奪われた仲なのに連携がうまい。その息の合わせ方を一体いつどこで打ち合わせたのか教えてほしい。実は隠れてコンビネーション技の練習とかしているんじゃないですか教えてください応援に行きますから。夢の中の二人に切なる思いを叫ぶもののどうやらこちらの声は聞こえていないらしい。
    2908