アンダーソン警部補誘拐事件 ハンク・アンダーソンの捜索が始まったのは彼が不在となって三日後のことだった。
遅すぎるとも言える捜索はもちろん、目撃情報が極端に少ないため捜索は困難と言って相違なかった。
「おいクソプラ、オモチャの癖に貧乏ゆすりしてんじゃねえよ」
トントンと規則的に机で音を立ててるのはギャビンだ。確かにコナーのLEDリングは忙しなく光っているがそれはアンドロイドが通信中である証だ。コナーが懸命にハンクを捜索している証左であり、コーヒーを飲みながらのんびりと呆けているギャビンにはいう資格はない。
「おい聞いてんのか」
ノイズキャンセルを設定して再度ネットワークの海に飛び込む。ネットニュース、SNS、デトロイト市内のパブリックドローンの映像。何を見てもハンクの情報は得られない。コナーは焦燥から舌打ちをした。
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