お題:お餅の話お題:お餅にまつわる何か
宅配の段ボール箱の重さに、もうそんな時期か……と、風見は顔をしかめた。
キッチンに置いてガムテープを外し、ふたを開ければそこにはぎっしりと白い餅が詰まっていた。
「うわぁ……」
やっぱりな、とうなだれながら、餅をひとつ手に取る。
年末になると、実家から餅が届く。
料理をしない息子でも餅なら焼くか煮るかすれば食べられるだろう、年末年始スーパーが閉まっていても大丈夫だろう、という親心は理解する。
理解はするが、嬉しくはない。
まず、年末年始にカレンダー通りに休める仕事ではない。
次に、ただ焼くだけ煮るだけでは、飽きやすい。
そして最後の問題。毎年、結局消費し切れなくてカビを生やす。
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