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    ShimoTsuki_Knm2

    @ShimoTsuki_Knm2

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    お題:イベント

    #降風
    (fallOf)Wind

    お題:イベント ついに来た。
     人が溢れ返る会場で、風見は万感の思いに浸っていた。
     今日は待ちに待った、怪コレの周年記念フェスである。ゲームのリアルイベントに参加するのは初めてで、この日の為に仕事を必死にこなし非番の日程を合わせ、当日に向けて体調を整えた。
     そうして、無事に会場に到着したが、アイドルフェスの時はヨーコさんの出番直前に降谷に呼び出されるという憂き目に遭った。今日はそんなことはないと祈りたい。
    「さて、どう回ろうかな……」
     グッズ列に並ぶか、人が増えてくる前に展示を見るか……と掲示されている会場内マップに近寄る。
     と。
    「……………ん?」
     マップを見上げる人影に、風見は目を細めた。
     すらりとした立ち姿。キャップをかぶっていても、そのモデル並みの顔立ちとスタイルは到底隠しようがなく、周囲の客がひそひそと「公式レイヤーさん?」だの「取材に来たタレントじゃない?」とチラチラ気にしている。
     いや、うん。「REIさん」とは確かに昨日チャットで周年イベントの話はしていたのだが。
     これだけ広い会場だ。一度離れてしまえば、そうは顔を合わせることもあるまい。見つからないうちに……と風見はこそこそとその場を離れようとして、
    「風見?」
     あっさり、見つかった。
     本名ーーー! と叫びかけたが、そもそもチケットは本名で申込済みなので別に問題はない。
    「………おはようございます」
     風見は観念して、こちらにやってくる降谷に挨拶した。
    「君、どうしてここに」
     降谷は風見をさりげなく人の少ない方に誘導しながら、そう尋ねてきた。
    「……………友人が、急遽来られなくなったので、代わりにグッズを買いに」
     風見は咄嗟にそう誤魔化したが、降谷は特に嘘と見破った素振りはなかった。
    「ふ………安室さんは?」
    「僕も似たような理由だ。ポアロの常連さんが、急に冠婚葬祭が入って来られなくなってな」
     これはさすがに本当だろう。ゲームはしても、リアルイベントまでは降谷は参加するまい。
    「ただ、こういうイベント会場は初めてだからな。君と会えて良かった」
    「グッズ売場ならあっちです。ひとりごとの購入個数に制限かけてあるけど、人気グッズだと早くなくなりますよ」
    「なるほど。……詳しいんだな」
    「………友人から聞きました」
     眼鏡を押し上げる手で顔を隠しながら、風見はそう付け足す。
    「じゃあ行こうか」
     そう言うと、降谷は手にした簡易マップを見ながら歩き出す。
     こうなっては逃亡不可能。「友人の代わりに」と言ってしまった手前、降谷と別れるまでは展示や特設ステージは見られないが、仕方ない。
     早くにグッズを買って、早く別れよう。
     そう決めて、降谷に同行した風見は、この一時間後、会場で起きた不可解な事件に巻き込まれてしまいことをまだ知らない。
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    くこ。

    DONE九尾狐降+猫又景×人間風/プリクラ②
    右風開催おめでとうございます。
    なだちさんのイラストにおつけいたします小説(諸伏編)
    降風&景風なのですが、普段景風を書いている身のため。
    景風要素高めです。
    2022/12/16
    愛すべし可愛い人を「っ諸伏。……このこと、降谷さんには言わないでくれ」
     恥ずかし気に目元を淡く染め風見さんがオレに頼みこむ。眼鏡の奥、風見さんの瞳に写るオレが口角を上げる。

    『往生際が悪いぞ、風見』
    『無理です。勘弁してください……!』
     先日の風見さんの休日。たまには三人で出かけよう、と決めていたその日。
     三人で共に暮らすその家の日用品を買うだとか、ヒトの波を見るだとか、そういったことを楽しんだ後まるで今通りがかった偶然なのだとばかりにゼロが『あれがプリクラか』と声を上げ、『せっかくだから、三人で撮ろう』と提案した。それに反対したのは風見さんだった。
     最初は『男だけの団体でこういう店は入れないんですよ』と常識や則で説こうとしたがゼロは神格高い霊獣、九尾の狐だ。『僕が君たちと行きたいんだ。行けないわけがないだろう』ときょとんと小首を傾げ入っていき、それはゼロの力で人の則が一時的に歪んでいるのだけれど。ゼロにとってそれは呼吸に等しく故に、できるのが当然だ。こともなげに進んでいくゼロに顔を青ざめた風見さん、そんな風見さんをあやすようにオレが苦笑しつつ進んだ。……余談ながら、ゼロほど簡単ではないけどオレにもできるだろうとは思いつつ、とはいえ撮られたくない風見さんに強いてまで行きたいわけでもないよなとは考えていた。そもそもオレ自身、人の社会で普通に会社勤めをしているヒトの風見さんを専業主夫状態のゼロとは違う方向からサポート、と言えばいいだろうか。ちょっとした妖たる力で風見さんの会社に雇われてもいないのに『風見さんに懐く後輩社員』だと認識されるようにし『働いて』いるわけで、やりようでできるかとは思うのだ。
    1947