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    ShimoTsuki_Knm2

    @ShimoTsuki_Knm2

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    お題:小さな喧嘩をして、いつのまにかイチャイチャ仲直りしてる降風

    #降風
    (fallOf)Wind

    お題:小さな喧嘩をして、いつのまにかイチャイチャ仲直りしてる降風 まとわりつく女の強い香水に、内心辟易する。
     情報を引き出す為だと己に言い聞かせ、完璧な笑顔を貼り付け、「バーボン」はチラリと少し離れた位置に目を向けた。
     長身でスリムなバーテンダーと一瞬目が合うが、すぐに逸らされる。
     と。
    「あら。どうしたの? こわい顔をして」
    「いえ、別に何も」
     かぶりを振って返しながら、バーボンは女ににこりと笑いかけた。

     *

     酔ってしまった女をタクシーに乗せ、運転手に釣りは要らないと告げて金を渡す。
     必要な情報は引き出せたから、これであの女に用はない。女の連絡先ごと全てのデータを削除し、プリペイド式のスマートフォンをゴミ箱に放り捨てた。
     バーボンはそのまま駐車場に向かい、停めておいた愛車に乗り込む。
    「お疲れ様です」
    「ああ。君もご苦労だったな」
     助手席に座るバーテンダー姿の部下に答え、降谷は車を発進させた。
    「で。何で無視した?」
     運転しながら降谷が尋ねると、風見は眼鏡をかけながら、じっと降谷を見つめた。オールバックにしていた髪をわしわしとかき乱して、いつもの顔に戻す。
    「情報入手の邪魔になるかと思いまして」
     小憎らしいくらい淡々と答えた風見に、降谷はムスリと唇を歪めた。
    「態度で察しろよ。あんなにしなだれかかられて、僕が嫌がっているのがわからなかったか?」
    「わかりませんでした。スタイル抜群の美女でしたし、むしろ嬉しいかと」
    「はあ?」
     冷ややかすぎる風見の声に、降谷はムッとして。
    「……まさか、嫉妬していたのか?」
     ピタ、と風見の動きが止まる。
     表情は変わらない。だが、わずかに特徴的な眉が動いた。
    「ふうん、そうか。妬いていたのか。存外可愛いな、君も」
    「は? 何で自分が嫉妬するんですか。単なるハニトラ相手に」
    「なら別に助け船出してくれたら良かっただろ。それに、さっきの言い方。棘があったぞ」
     ぐ、と風見が唇を噛む。
     もうひと押し、と降谷が攻勢を強めようとした時、風見が言った。
    「今日は随分と感情的ですね。あなたこそ、俺に嫉妬してほしかったんですか?」
     渾身の一撃である。
     どうだ、と少し胸を張りつつ、風見は降谷がどう出るかと身構えた。
     が。
    「そんなの、妬いてほしいに決まっているだろう」
     あっさりと、潔く降谷が認める。
     風見はポカンと口を開けて、一度深呼吸をして、何か言い返そうとして。
    「………ずるいですよ」
     真っ赤な顔を俯けて、やっとの想いで一言だけ搾り出す。
     降谷はニヤニヤと笑い、路肩に車を停めると風見の手を握った。
    「さて。これで今日の仕事は終わりだが、君はどうする? 何なら家まで送るが」
    「……………そこで俺に選ばせるんですか?」
    「もちろん」
     そう言って、降谷は笑う。安室の甘い笑顔でも、バーボンの怪しい笑顔でもない。
     降谷零が獲物を見つけた時の、不敵な笑み。
     風見は観念すると、返答代わりに、噛みつくようなキスをした。
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    くこ。

    DONE九尾狐降+猫又景×人間風/プリクラ②
    右風開催おめでとうございます。
    なだちさんのイラストにおつけいたします小説(諸伏編)
    降風&景風なのですが、普段景風を書いている身のため。
    景風要素高めです。
    2022/12/16
    愛すべし可愛い人を「っ諸伏。……このこと、降谷さんには言わないでくれ」
     恥ずかし気に目元を淡く染め風見さんがオレに頼みこむ。眼鏡の奥、風見さんの瞳に写るオレが口角を上げる。

    『往生際が悪いぞ、風見』
    『無理です。勘弁してください……!』
     先日の風見さんの休日。たまには三人で出かけよう、と決めていたその日。
     三人で共に暮らすその家の日用品を買うだとか、ヒトの波を見るだとか、そういったことを楽しんだ後まるで今通りがかった偶然なのだとばかりにゼロが『あれがプリクラか』と声を上げ、『せっかくだから、三人で撮ろう』と提案した。それに反対したのは風見さんだった。
     最初は『男だけの団体でこういう店は入れないんですよ』と常識や則で説こうとしたがゼロは神格高い霊獣、九尾の狐だ。『僕が君たちと行きたいんだ。行けないわけがないだろう』ときょとんと小首を傾げ入っていき、それはゼロの力で人の則が一時的に歪んでいるのだけれど。ゼロにとってそれは呼吸に等しく故に、できるのが当然だ。こともなげに進んでいくゼロに顔を青ざめた風見さん、そんな風見さんをあやすようにオレが苦笑しつつ進んだ。……余談ながら、ゼロほど簡単ではないけどオレにもできるだろうとは思いつつ、とはいえ撮られたくない風見さんに強いてまで行きたいわけでもないよなとは考えていた。そもそもオレ自身、人の社会で普通に会社勤めをしているヒトの風見さんを専業主夫状態のゼロとは違う方向からサポート、と言えばいいだろうか。ちょっとした妖たる力で風見さんの会社に雇われてもいないのに『風見さんに懐く後輩社員』だと認識されるようにし『働いて』いるわけで、やりようでできるかとは思うのだ。
    1947