Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ShimoTsuki_Knm2

    @ShimoTsuki_Knm2

    好きなものの二次創作とかぽいぽい

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    ShimoTsuki_Knm2

    ☆quiet follow

    お題:指切りをする降風

    #降風
    (fallOf)Wind

    お題:指切りをする降風「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます!」
     遠くから聞こえた明るい子供の声に、風見はスマートフォンをいじるふりをしながら、視線を送る。
     まだ小学校に上がったばかりだろうか。小柄な子供が小指を絡めていた。
    「嘘の罰が針千本って厳しくないですかね」
     風見がスマートフォンを見たまま、ぽつりと呟くと、背後から声が返った。
    「あれは元々、遊女が客と約束を交わした時のものとされている。『愛しているのはあなただけ』と小指を切り落として送ったそうだ」
    「小指……」
     ひく、と口元をひきつらせ、思わず額を押さえた。
     美しい女が白くしなやかな指に自ら包丁を振り下ろす姿を想像して身震いする。
     と。
    「実際は、作り物の小指が多かったらしいがな。要するに、営業用だ」
     背中越しに、降谷が薄く笑う気配があった。
    「なるほど。相変わらず、何でも知っていますね」
     感心して風見がそう言ったのには答えず、降谷は手をだらりと下げた。
    「風見。手を出せ」
    「え? ……は、はいっ」
     何か渡すものでもあったか、と風見は慌てて背中合わせで座る降谷に手を差し出す。
     と。
     ぎゅ、と小指を掴まれた。
    「………えっ?」
     意外な反応に、風見は眼鏡の奥で目を丸くする。
     思わず振り向きかけたのをこらえ、前を向いたまま戸惑う風見に、降谷は言った。
    「明日からしばらく潜る」
    「……はい」
    「嘘だらけの僕には、指切りはできないが……必ず、帰ってくるよ」
     降谷がそう言って、風見の小指を包むようにして握るから。
    「はい。お帰りを、お待ちしています」
     彼の誓いを信じて、従順な犬のように返した。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭💕💖💕💖☺🙏🙏🙏🙏❤👏💖💴🌠
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    くこ。

    DONE九尾狐降+猫又景×人間風/プリクラ②
    右風開催おめでとうございます。
    なだちさんのイラストにおつけいたします小説(諸伏編)
    降風&景風なのですが、普段景風を書いている身のため。
    景風要素高めです。
    2022/12/16
    愛すべし可愛い人を「っ諸伏。……このこと、降谷さんには言わないでくれ」
     恥ずかし気に目元を淡く染め風見さんがオレに頼みこむ。眼鏡の奥、風見さんの瞳に写るオレが口角を上げる。

    『往生際が悪いぞ、風見』
    『無理です。勘弁してください……!』
     先日の風見さんの休日。たまには三人で出かけよう、と決めていたその日。
     三人で共に暮らすその家の日用品を買うだとか、ヒトの波を見るだとか、そういったことを楽しんだ後まるで今通りがかった偶然なのだとばかりにゼロが『あれがプリクラか』と声を上げ、『せっかくだから、三人で撮ろう』と提案した。それに反対したのは風見さんだった。
     最初は『男だけの団体でこういう店は入れないんですよ』と常識や則で説こうとしたがゼロは神格高い霊獣、九尾の狐だ。『僕が君たちと行きたいんだ。行けないわけがないだろう』ときょとんと小首を傾げ入っていき、それはゼロの力で人の則が一時的に歪んでいるのだけれど。ゼロにとってそれは呼吸に等しく故に、できるのが当然だ。こともなげに進んでいくゼロに顔を青ざめた風見さん、そんな風見さんをあやすようにオレが苦笑しつつ進んだ。……余談ながら、ゼロほど簡単ではないけどオレにもできるだろうとは思いつつ、とはいえ撮られたくない風見さんに強いてまで行きたいわけでもないよなとは考えていた。そもそもオレ自身、人の社会で普通に会社勤めをしているヒトの風見さんを専業主夫状態のゼロとは違う方向からサポート、と言えばいいだろうか。ちょっとした妖たる力で風見さんの会社に雇われてもいないのに『風見さんに懐く後輩社員』だと認識されるようにし『働いて』いるわけで、やりようでできるかとは思うのだ。
    1947