一緒に寝たい 夜も更け、時刻が0時を回る頃。
暗い部屋の中、扉のノブが音もなく回転し戸がゆっくりと開く。現れたのは、まだ若い成人前のネロの姿。若干髪がくしゃっと乱れ、格好はいつも着ていたコート姿ではなく、シンプルな部屋着で、右腕に気に入りの枕を抱えて部屋にやってきた。
ちなみに今いる部屋は、父バージルのものである。ネロは隣の部屋に割り当てられていたが、ある理由を持って父の部屋にやってきた。寝ぼけて部屋に入ってきたわけではない。
「……」
軽く部屋の中を見回して、父と自分以外誰もいないのを確認するネロ。部屋の照明は落ちていて、ベッドの方を見れば布団の膨らみを見つけ、上下に揺れているのを確認する。
「父さん…?」
微かに名前を呟いても返事はない。
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