俺は一番になりたかった。
三色楼に拾われてから、生きる為に仕事を覚えて色を売って、花も愛想も売りまくって、褒められるのが好きで、俺の事を認めてもらうのが生き甲斐だった。
お客様には可愛がって貰えたし、癒皇さんも会えば褒めてくれるし、依柩さんにも声をかけて貰える事が増えた。
贔屓にしてくれる客も付いたし安定した売上も出している。
正直、昼間の売上にはかなり貢献していると思っているし指名率も悪くないし休みだって無い方だというのに、俺が一番だと自信持って言えないのは昼の内にたったの数日、小一時間だけ座敷に出ているだけの癖に人気と話題を掻っ攫っていく奴。
同じ時間に出ていると聞いた客があいつの話をしだした日にはしゃぶっているモノを噛み千切ってやろうかと思ったぐらいだ。
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