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    mitsu_ame

    @mitsu_ame

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    DONE審神者くん×長義くんの南国バカンスいちゃいちゃ小話でーす!🌺🌴🍹✨💕🐠

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    数種の葉物と、スライスしてよく水にさらしたタマネギ、ぶつ切りの白身魚。ブラックオリーブは、子供舌の我が主が苦手だから少しだけ。その分オイルは容赦なく。カットしたトマトを種ごと沢山入れるから、酸味は十分。酢は入れない。岩塩を削り入れ、すべてが合わさったボウルの中を底からざっくり混ぜる。ラップをして冷蔵庫へ。食べる直前にピンクペッパーを散らせばサラダは完成だ。
    調理がひと段落すると、途端に聞こえる波の音に注意が向く。普段の生活では絶対に拾わない音階。ざざん、ざ、ざざざ……耳を澄ますまでもなく、明瞭に漣は響く。ベイエリアに建てられたコテージは、ものの数十歩も歩けばビーチに出られる。到着してすぐ、荷解きもせずに飛び出したのは彼の方。自分が前に立つことが多いから、彼の背中を追うのはなんだか新鮮でくすぐったかった。

    追った先、白い砂浜とエメラルドグリーンを湛える海。陽はまだ高く、水面をきらきらと輝かせていた。
    広く、ひろく横たわる海。寄せては引き、引いては寄せる水のかたまり。それに、少し、ほんの少し、恐怖心を抱いたことを、彼は見抜いて、そして穏やかに笑った。
    臍を曲げたって良かったけれど、せっか 2203

    mitsu_ame

    DONEイデアズ💀🐙

    ハロイベの頃に書いてたのを仕上げた。ので、ちょっとだけイベストの内容に触れていますが些細な感じです。
    デキてる。いちゃ甘。
    学園のネットワークセキュリティとか寮長の仕事とかの捏造あり。
    **

    最後の支払伝票データを送信する。予算執行状況確認表を開けば、ピタリ配分通りの金額が執行済額として表示された。あぁ! なんと小気味よいことだろう!
    「終わった?」
    知らず漏れた笑い声を聞いて、イデアさんが声をかけてくる。彼御用達のオフィスチェアをぐにゃりと反らせて振り返ると、ソシャゲにでも勤しんでいたのだろう、チカチカ明滅するスマホ片手にゆらりと立ち上がるところだった。パーカーとスウェットの、だぶだぶのシルエット。
    「えぇ! 大変助かりました。お礼はまた後日」
    「いーよ、別に。ネットワーク障害の方は、調べるのに工賃いただきますしおすし」
    チェアを背後から抱くようにして、イデアさんの手がキーボードへ延びる。ヒョロリと長い腕は僕ひとり分の厚みをものともせずにキーの上で指先を踊らせた。
    「うわ、予算キッチリ全額使ってる」
    「当たり前でしょう。ハロウィン用の事業予算は全寮同額。かつ予備費はイベント最後のパーティへ回される。自寮分使い切らない道理がありますか」
    「いやぁ〜……それにしたって全額執行は草。予期せぬ持ち出しがあったらどうするの、流用きかないよ」
    「確かにお金は頼りになるものです 5119

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    DONEくりんばわんどろ。+10mくらい。【季節外れ】【枕元】
    事後っぽい表現があります。
    @mitsu_ame

    **
    ざぁ、ざぁぁ、崖下を流れる川の音が、窓辺に凭れる自分の耳に遠く響く。抑揚の少ない音は疲れた身体を眠りに誘った。重い瞼をゆるゆる動かすと、川向うの景色が鮮やかに眩しい。崖下のどうどうとした川の流れ、切り立った斜面を覆う、赤、オレンジ、黄色。彩り豊かな樹木たち。窓辺の紅葉した銀杏の金色は自分の頭髪より数段濃い色をして、寒風に身を揺らしている。あちらはどうだか知らないが、火照った身体にはこの冷たさは心地よかった。

    本来真夏にあるはずだった長期休暇が、随分季節外れに与えられた。ぽかりとできた連休を、ふたりでゆっくり過ごそう、と持ち掛けてきたのは大倶利伽羅だった。二つ返事で承諾して訪れた、紅葉の名所の温泉街。急流に削られた渓谷の両岸にホテルや旅館の立ち並ぶ場所で、ふたりで選んだのはその並びから少し外れた宿だった。
    景色を、温泉を、食事を楽しんで、夜。お互いに期待して、求めて、溺れた。本丸は集団生活で、周りを気にして兎に角せっかちに進めがちだし静かにことに及ばねばと気を使う。旅先で、周囲の気配は薄く、ほかにも、だって。理由付けはいくらもできて、結果はとても奔放だった。それだけ。

    それで結局、ふ 2018

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    DONE買い物に出たら月が綺麗だったのでD/s本丸の小夜歌ちゃん。
    Dom小夜とsub歌仙。同室でなかよしだけどD/s的には歌仙さんの片思い。小夜的には手のかかる昔馴染み。

    ※D/sユニバース
    ※月の満ち欠けがダイナミクスに影響を与える設定を捏造しています。
    『月明か、君愛し』


    月の明るい晩だ。

    まるまると肥えた月は薄曇りの空の上、のっぺりとした闇の中でなお、ひときわ輝く。星々の煌めきを殺して爛々と。
    そんな光を遮るために、雨戸を閉めきってしまう。そうすれば四角く閉じた部屋の灯りは、障子越しにともる廊下の常夜灯だけ。薄いうすい人工の灯りにほっとする。宵闇より恐ろしいのは、何よりさやかな月あかりだ。
    そっと布団へもぐり込む。先に隣の布団へ沈んでいた気配が僅かに揺らいだ。
    「おやすみなさい、歌仙」
    「…………おやすみ、お小夜」
    就寝の挨拶はいつもと同じで、それが何故だか寒々しい。寒々しさは独り寝の寂しさに似て、それでいて他ならぬ小夜が傍に居るのに痛烈だった。
    きっと、月光があんなに豊かなのを見たせいだ。あれはどうしたって心も体も波風立たせて仕方ない。
    居心地のよさを求めるように、布団を肩口まで引き上げながら寝がえりを打つ。右肩を下敷きにして横臥すると真正面に小夜の横顔が見える。ツンとした顔は静かなものだ。胸あたりの布団がわずかに上下しているだけ。もう寝入ってしまっただろうか。分からない。
    (ねぇ起きている?)
    聞くのなんて簡単だ。だけれど 1739

    mitsu_ame

    DONEぽいぴくテキストテスト

    くりんばわんどろになるはずだったやつ
    大倶利伽羅が顕現したのは、8月の暑い盛りの頃。発足して4ヶ月を数える本丸の、15番目の刀だった。
    その時の近侍は山姥切国広で、「慣れ合うつもりはない」と言った大倶利伽羅に「では用がある時はコレを引くように」と言って己の布の端を掴ませたてさっさと歩きだした。手放してもよかったのだけれど、何故だか大倶利伽羅は持たされたばかりのそれを引いて「どこへ」と聞いた。
    「本丸内を案内する。最後に割り当ての部屋を教える。俺と同室だ」
    身体の殆どを布で覆っているせいで、どこを向いているのかもよくわからない男は籠った声で答えた。言い終わるとまたすたすた歩く。大倶利伽羅はやっぱり何故だかくたくたの布を手放せず、それを持ったまま後をついてまわった。これが顕現初日の話だ。

    降りてふた月もすれば、本丸での生活はおよそ落ち着いた。降りたのが少しばかり早かった山姥切国広は大倶利伽羅の教育係になって、はじめのやりとりが習慣になり、山姥切国広とともに居る時は彼の布の端を掴んでいた。そうしていると、なにくれとなく構ってこようとする周囲に対して山姥切国広が「俺がお勤め中なんだがな」と言うのだ。教育係であることを指しているら 2833