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    shouenbou

    @shouenbou

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    shouenbou

    MEMOとあるモブおじのはなし「は?俺の耳に触りたい?」

    台輔はその御玉体を『専用の御椅子』に預けながら半分眠そうに仰った。
    台輔はお昼ご飯の後の休憩中であった。休憩時間には最近の春めいた気候を浴びたいそうで、専用の御椅子を仁重殿の露台に呼びつけて、心地よい風を浴びながら鬣を梳いてもらい、御椅子の『座面』に横になり耳掃除をさせている最中だった。

    「俺は別にいいけど、」
    「馬鹿なことをぬかすな」
    『専用の御椅子』のお言葉に露台に侍る我々は心の中で「デスヨネー」と安堵の声を上げた。しかし、小さくなって畏まりながら、伝奏の官は続けた。
    「仰る通りでございます、罷りならぬと申しましたところ、その者は台輔の御耳に触って不敬罪で死を賜るなら本望だと申しまして、四日の間も飲まず食わすで国府の門に居座っておるのでございます。」
    「面倒な輩だな。」
    詳しく聞いたところ、その者(萌夫叔父(モブオジ)と名乗った)は先日の式典の際に台輔のお姿を目にし、それ以来台輔の尊いトンガリ耳のあまりの美しさ可愛らしさに仕事が手につかなくなり職を失い、昼は台輔の姿を思い出してはボンヤリし、夜は夢に見ること一月あまり、懸想のしすぎで食事も満足に摂れな 910

    shouenbou

    MEMO冬至の前日の尚六アホ文今夜は主上の訪いがありますと告げられたのは夕餉のとき。
    秋から治水の視察に出掛けた尚隆が帰ってきたのは夕方の頃。冬至の祀りを明日に控えて、慌ただしく帰ってきた。こちらも州侯の政務で忙しくて、出迎えには行かなかったから二か月も顔を見ていない。急の訪いでも、冬至の前に二人の時間を作ってくれて嬉しい。
    連絡に来た王付きの女官が帰ってから、仁重殿の女官たちは「麒麟の身支度」のために慌ただしく準備をした。
    いつも通り王がプラプラ仁重殿に来るのには構わないが、「夜の訪い」となると色々準備をするのが暗黙の決まりだった。

    六太は夕餉を終えて、急いで残った政務を片付けたあと、肌がすべすべになる薬湯に浸かり、鬣をフワフワに乾かしてもらう。それから王のための酒肴を用意してもらって人払いをする。あとは、黄医に渡された潤滑剤を塗り込めて、準備をしておく。
    尚隆とそういう関係になってから、自分で準備をするようになったので、もう慣れた。寝台に寝転んで、潤滑剤を付けた指を挿れて拡げる。最初の頃は苦労したが、今はもう慣れて指2本がすんなり入る。
    今夜、尚隆が、来る……。
    秋の視察に赴く前に一夜を過ごしてから、王がこち 995