ホワイトデー 甘いお返しを 『今日は何の日か、覚えているかい』
九尾先輩にそう話を切り出されて、はや3分。
全く思い出せない。
「なん…でしたっけ?3月といえばえーと、あ!ひな祭り!」
『それは女の子のお祭りだろう?その先にあるのは?』
「えーー…わかんねー」
なんか忘れてるような気もしたけど、やっぱり思い出せない。なんかあったっけ?
『そうか、この袋見てもまだ分からないかな』
そう言って取り出した紙袋は、とても白くて、光沢感のある綺麗な飾り気のないものだった。でもそれだけでは、何なのか分かるわけが無い。ヒントのつもり?
「わかんねー!え、それ何入ってんの、教えて!」
『せっかちだなあ君は。はい。』
袋を俺の前に突き出すと、先輩は俺の顔をまじまじと反応を見るかのように見つめてくる。
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