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    yaginoura0811

    @yaginoura0811

    キショウタニヤマボイスの世界で13年くらい生かされてます。

    雑多なものの基本は総じて右側。推しの移り変わり激しい人間。推しの右側エロ大好き!!!!!!性癖色々。

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    yaginoura0811

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    やってはみたものの色々ナーバスになるラカアオR。

    一体どうしたらいいのだろう。

    ラカムは今自分の腕の中で震えている人物にどう声をかければいいのか悩んでいた。
    そもそもの発端はアオイドスの提案からだった。



    「実は昨日から色々考えていたんだが、アカイドスのパトスをより感じるにはどうしたら良いかと模索していたんだ」
    「ほお。それで?」
    「これを使って視覚的パトスを減少させた状態でアカイドスのパトスをどれだけ感じるか実験したい」

    アオイドスが手にしていたのは何の変哲もない布切れだった。
    これを一体どうするのだろう。そしてそれをやる意味というものが見えなかったラカムはアオイドスに聞いてみる。


    「単純さ。目隠しをして君の声、体温、感情をどこまで汲み取れるか試すのさ」
    「…なんか、聞いててもよく分かんねぇけど…それやって何の意味が?」
    「体感として感じるアカイドスのパトスを今後のGIGに活かしたい。センションの質を向上させる目的もある。ギターとベースはそうしてお互いを意識し合う事で演奏の向上が期待されているからな」
    「…それで、これか?」

    突拍子もない発想だが、実行してくるあたりアオイドスは本気らしい。
    確かに、演奏に必死でアオイドスの方に気を向ける余裕がないのは事実だ。
    単に自分の技術面での問題だが、こればかりは練習を繰り返すしかない訳で。

    音楽は生き物だ。
    バンドで活動していく中で重要なのはお互いを意識して音を返す事。
    素人ながらラカムにもそれが分かっているからこそこの提案は容易く受け流すことは出来なかった。

    「俺が目隠しをする。アカイドスは普通通りにしていればいい」
    「分かった。てことは俺がこれをアオイドスに巻けばいいんだな?」
    「ああ、頼む」

    かくしてラカムはアオイドスの視界を遮るために用意された布切れをアオイドスの目に巻きつけた。
    普通通りとは言われたもののラカムはどうしていいか分からずただそこに座ってアオイドスを見つめる。
    アオイドスも何をするでもなくただじっと座ってラカムの気配を感じ取っているように見える。

    「…どうだ?」
    「…うむ…アカイドスの存在は感じる」
    「…まぁ、ずっといるからなここに」
    「そうだな。君の顔は……ここか?」
    「そこは顎だ」
    「惜しいな」

    そう言って笑ったアオイドスはゆっくり手を上に動かしながらラカムの肌の感覚を探り当てていく。
    ラカムは顔面を弄られるくすぐったさで笑ってしまうが、徐々にラカムの輪郭を把握して頬に触れてくる。

    「…だいたい分かった。ここは鼻で…ここは、唇」

    アオイドスの指先が的確に部位を捕らえ、ラカムの唇に触れる。
    横に唇をなぞられていくのを眺めながら、ラカムはゆっくりと顔を近づけてみた。

    「…アカイドスの匂いがするな」
    「……当たり前だろ。目の前にいるんだから」
    「…そうだな」


    アオイドスの頬にラカムの体温が真っ直ぐ伝わってくる。
    優しい声のトーンも視覚を奪われたアオイドスの聴覚を刺激する。
    近くにいるという安心感がこんなにも心地良いものだとは思わなかった。
    自然と触れ合った唇の暖かみも今はダイレクトに伝わってくる。

    繰り返しキスをしながらアオイドスがラカムの鍛えられた身体をなぞって物欲しそうに自分の方へ引き寄せてくる。
    より一層伝わる温もりと、僅かにラカムの鼓動が聞こえてくる。
    はっきりとラカムの脈の音を聞きたくなったアオイドスが身体を下にずらして胸元あたりに耳を押さえつける。
    平常時よりも少し速く脈を打っている気がしてアオイドスは嬉しそうに笑ってみせる。


    「…緊張しているのか?アカイドス」
    「うるせえ。コレが通常速度だよ」
    「そうか」


    正直なところこうしてアオイドスと触れ合っていると鼓動は速まるばかりで、それを探り当ててられる恥ずかしさもありつつラカムは悪い気など一切湧かなかった。
    ラカムの手がゆっくりとアオイドスの身包みを解いていき、肌を滑り落ちる感覚にアオイドスは一瞬身を硬くするが、直ぐにラカムの首に腕を回して微笑む。

    「…不思議だな。目隠ししているのに君の表情が手にとるように分かる」
    「そりゃすげぇな。で?今俺はどんな顔してるんだ?」
    「…とても、物欲しそうな表情だ」


    そんな表情をしているのかと思いつつも多少なりとも自覚があったラカムは恥ずかしさに頬を掻いた。
    アオイドスの肌に触れながらラカムの手が下へと降りていき、焦らすように下着の中に潜らせる。

    「…っ……」

    視覚が遮断された状態で敏感な所に触れられるとつい身体が大袈裟に跳ねてしまう。
    密かに滲み始めた体液と一緒に擦りあげられる感覚に少しずつ頭の中が溶かされていく。

    「…アカイドス…もっと…」


    触れて欲しいという感情が言葉に溢れたアオイドスに健気さを感じつつ、ラカムは手を止めずにアオイドスの肌に点々と赤い印をつけていく。
    僅かに感じた痛みに唇を噛み締めながらアオイドスが短く息を吐く。

    アオイドスが不安にならないようにラカムの名前を口にする度に返事を返すラカムの優しさに、アオイドスは胸が締め付けられた。

    もし、この声が自分の耳に届かなくなってしまったら。
    そんな不安が逆にアオイドスの心を侵食していく。

    そしてそれは行為が進むにつれて大きくなっていく事は今の時点では判らないでいた。

    熱く求める言葉を囁くのに、どこかラカムの心には余裕がなくなってくる。
    ふつふつと湧き上がってくる私欲に抗う事が出来ない。
    アオイドスの切なげに漏れる声が少しずつ不安に揺れ始める。

    「…ぁ…ッ」

    窄まりに潜り込む指先の感覚に痛みを感じ、肩を震わす様子も情欲を唆ってくる要因になってしまい、ラカムはアオイドスの肌を絶えず弄る。
    自然と力が篭ってしまい余裕のなさが行動に出てきてしまっていた。

    堪らずアオイドスを組み敷き、惜しげもなく唇を首筋に埋めてマーキングしていくラカムの腕を不安そうにアオイドスが握りしめる。

    「アカイドス……?」

    問いかけるように名前を呼んでもラカムからの返事はなく、攻められるだけの行為にアオイドスの声は不安に揺ていく。

    「アカイドス…ッ…」

    指を引き抜かれた後、背後に感じたラカムの猛りが擦られる感覚にアオイドスが声を引き攣らせる。

    まさかと思う間もなく推し進められた圧迫感にアオイドスの身体がびくりと強張った。
    耳元に落ちてくるラカムの余裕のない声と、視覚を塞がれて何も見えない恐怖に少しずつ駆られながらも、身体はすっかり慣れてしまった快感に支配されていく。

    「アッ!待っ、て…アカイドス」

    不安なま打ち付けられる動きに恐怖さえ感じてしまったアオイドスは涙で瞳を滲ませる。
    ラカムの唸るような声がアオイドスの不安を増幅させるどころか、温もりを感じられない行為をされてしまっているようで怖くなった。

    「やっ…ぁ…あかいどす…返事を…」

    声が聞きたい。
    そんな想いも聞き入れる余裕もなくただ貪られるだけの行為に感じてしまう自らの浅ましさを呪いたくなってしまう。

    こんなはずじゃなかったのに。

    ちゃんとラカムの体温を、声を、表情を確かめられない事がこんなに怖いとは思いもしなかった。

    「ぁっ、や…やぁ…あかいどす…もう…やだ…」

    こんな思いはしたくない。

    そんな思いとは裏腹に、胎内に感じた熱源を欲するように締めつける感覚がラカムの本能をより掻き立てていた。
    ちゃんと声をかけてやりたいのに出来ない自分の欲の強さに苛まれながらラカムはアオイドスの中で絶頂を迎えるのだった。





















    「……アオイドス…そろそろ身体洗わないと」
    「………」

    行為が終わった後、アオイドスはずっとラカムの胸に顔を埋めて返事をしないどころか微動だにしなかった。
    真っ赤に腫れた目がとても痛々しい。

    「…その、悪い…。俺が悪かった。」
    「…………」

    あまりの申し訳なさにラカムは陳謝するが、アオイドスはずびと鼻を啜り首を横に振った。
    自分から提案したとはいえ、これほどまでナーバスになる案件だとは思いもしなかった。
    色々複雑な想いが交差する中でラカムはアオイドスがここまで落ち込む姿を見た事がなかったので正直困惑した。

    許してもらえない事は百も承知だ。
    ならばせめて声をかけてあげられなかった分までかけてあげようと決意する。

    そんな時、腕の中で震えるアオイドスがぽつりと呟く。

    「…アカイドス…」
    「ん?なんだ?」
    「…謝るのは、俺だ」
    「えっ?」
    「ちゃんと君のパトスを感じられなかった…」


    ラカムは酷い罪悪感に苛まれた。
    落胆したように呟いてアオイドスがラカムの身体を強く抱きしめてまた鼻を啜る。
    もうこんな思いは二度とごめんだと何度も心の中で唱える。

    「…気にするな」
    「………アカイドス」
    「?」

    アオイドスは毛布の中から目だけ出してラカムの表情を伺いながら言った。

    「…もうちょっとだけ…このままでいいか?」
    「…勿論…」


    さっきの穴埋めでもするかのようにラカムは小さくなったアオイドスの背中をあやし、アオイドスも感じられなかったラカムの温もりを感じながら暫くお互いの鼓動を聴いていた。
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