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    yaginoura0811

    @yaginoura0811

    キショウタニヤマボイスの世界で13年くらい生かされてます。

    雑多なものの基本は総じて右側。推しの移り変わり激しい人間。推しの右側エロ大好き!!!!!!性癖色々。

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    yaginoura0811

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    ショドモショR予定の共同生活話。
    一切明るくない。前提にツバショ。

    拾うもの1突如、特級からショウ宛に手紙が届いた。
    何事かと思い開けてみれば日にちを改めて面会したいとのお達しだった。
    何故こんなまどろっこしいやり方をするのか疑問ではあったが、要件を聞いてショウは納得した。
    その内容は特級始まって以来の事態であると同時に失態とも言える案件だからだ。

    かつてショウが言われようのない罪で少年罪流島に入れられた事は実際のところ外部に漏れないよう内部で良いように処理されていた。
    全てを納得したわけではないが、結果として奉仕活動だけで済んだ事はショウの周りにいたみんなのお陰でもある。
    ショウ自身今でもそれを忘れているわけではない。
    一人でも理解してくれる人がいれば長い長い苦痛からも逃れることが出来ると身をもって知ったショウは、今回の案件を潔く引き受けた。
    一筋縄ではいかない事は分かっている。
    だが、ショウは時間をかけてでも期待に応えることにした。

    自分が受けたように自分が何かを変えることが出来れば。そんな想いで。













    「ショウ君、連れてきたよ」


    特級を出て以来、所長と顔を突き合わせたショウは後ろに立っている人物を見て一瞬息を呑んだ。
    見ただけでやつれたと感じる程彼は変わり果てていた。

    「…なんじゃあショウ君、久しぶりじゃの」
    「……ドモン…」
    「ひひっ…相変わらず…気に食わん目ぇしとるわ。噛みつきとうなる」
    「……」
    「とりあえず、入ってもいいかね?」
    「…ああ」


    おぼつかない足取りで歩くドモンを抱え、所長はショウと共に応接間へと向かう。
    父親から与えられた別宅はショウ一人で暮らすには広すぎたが、家に人を招く分には丁度いい。
    おまけにこれから共に『生活』するには勝手がいいだろう。

    ショウはドモンに部屋の一室を明け渡す準備をこの数日してきた。
    何故なら特級からの用件とはドモンの引き渡しだったからだ。
    アメシガを多量摂取しすぎたことによる副作用が酷く、特級でも手がつけられなかったらしい。
    口を開けばショウの名前を口にして暴れまわって看守達の言葉など一ミリも聞こえていない様子だったらしい。
    手を焼いた看守達はドモンの監視をやめる程であった。
    所長でさえもドモンの傍若無人な態度に手のつけようがなかったという。

    「すまないねショウ君。我々も彼の更生に尽力したのだが…この様でね。君にしか頼めなかったんだ」
    「ふっ、まさかこんなcrazyな頼み事をされるとは思わなかったぜ」
    「…勿論、我々も引き続き様子を見に来るつもりだ」
    「…つもり、ね」
    「と言っても見捨てるという意味ではないんだよ!?決して見捨てたわけではないからね!」

    所長は慌てて弁解するように言うが何を言ったってドモンをここに連れてきた時点で弁解の余地などないのだけれど。

    兎も角、用件を受け入れたからには責任を持ってドモンを預かるしかない。

    「分かってるサ。あんたも面倒見ているのはドモンだけじゃない。それに、今回の話が出た時点で俺の中で答えは決まってたんだからな」
    「……恩に着るよ」

    ショウと所長の会話を聞いているのかいないのか、ドモンは退屈そうにソファーに寝そべったまま二人に声を掛けた。

    「なーあ、話はもう終わったんか?わし腹減ったもんでのぉ。なんかないんか?」
    「…wait.今用意する」

    ドモンに促されるように言われれば、ショウは腰を上げて台所へ向かう。
    所長も沈黙したままショウについて行き応接間を出た。


    「今は大分落ち着いてはいるが…いつまた暴れ出すか分からないからこれを渡しておく」
    「…薬?」
    「ああ。禁薬による禁断症状を抑える薬だ。定期的に飲むように促してほしい」
    「all right」
    「……よろしく頼むショウ君。今、頼れるのは君だけなんだよ」


    ショウが特級に入った頃の所長はとにかく更生目的の躾だと口にしてやる事は体罰と変わらない事ばかりを押し付けてくるばかりだったが、何がなんでも折れ曲がった生き方をしている青年達を更生させたいという情熱が拗れてしまったが故だと今は理解している。

    結局のところ誰にも見放されてしまったというのが正直な所のドモンは不憫以外の何者でもなかった。
    かつて自分が周りに見放された時と同じような事を繰り返してはならないと内なる意思を秘め、ショウはドモンとの生活をスタートすることになったのだった。
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