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    おもちのき もち

    PROGRESSJBF 花屋パロ新刊のサンプルです。

    ⚠️注意書き⚠️
    ◎プロ選手×花屋 パロディ
    ◎ペイントバース+α‬の世界線です(設定はポイピクに)。
    ◎侑に名前のある喋る彼女がいます。今後ストーリーにかなりの割合で登場します。
    JBS 新刊花屋パロ サンプル②Dec. ヒマワリの契機

    「――ツム」
     名前を呼ばれて、侑は重たい瞼を持ち上げた。よく磨かれた木目のテーブルに、炊き立ての米と出汁の香り。見慣れた風景に、あぁ夢か、と瞬時に理解する。最悪の寝覚めだった。
    「おい」
     見上げると、カウンターの向こうで治が顎をしゃくっていた。先ほどから、テーブルの上に投げ出されたスマートフォンが震えているのだ。一度鳴り止んだそれは、間髪を容れずに再び音をたて始める。動こうとしない侑に、治がやれやれといった様子で口を開いた。
    「電話、涼子(すずこ)ちゃんやろ。ええ加減、出たれや」
     治が経営する食事処“おにぎり宮”では、夜の営業に向けて仕込み作業が佳境を迎えている。
     世間はクリスマスムードで色めきだっているというのに、侑は午前中から時間を持て余し、気まぐれにおにぎり宮に顔を出しては一席を占拠しつづけていた。夜には付き合って半年になる彼女――涼子との約束が控えているが、どうにも乗り気がしない。めんどいなぁ、と治に愚痴をこぼしているうちに、うたた寝をしてしまい、いつもの夢を見たのだった。
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    hiwanoura

    PROGRESS怪しいお店をしている先生とアルバイトのタルによる、怪異巻き込まれ現パロ。略して怪異パロ。途中までです……
    ※微グロ?
    ※微ホラー?
    怪異に好かれまくるタル怪異パロ


    其れは、気が付いたらそこにいた。
    瞬きをした瞬間、伏せていた視線を上げた瞬間、横を向いた瞬間……そんなふとした瞬間に、視界の端に現れ始めた黒い影。なにかいたな?とそちらを向いても、そこには何もおらず。気のせいか……それとも疲れているのか、と、すぐに興味はなくなってしまうのだけれど、しかし。少しするとまたその影は視界の端に居るのだ。見ようとすると見ることの敵わない何か。正直、気にはなるが、まぁ邪魔なものでもないし生活の妨げにもならないので放っておこうと思っていたのだが……数日が過ぎ、影が居ることに慣れ始めた頃。ふと、其れが視界を占める割合が以前より大きくなってきていることに気がついた。ゆっくりと、しかし確実に。影が、近付いて来ている……そう理解すると、今度はなぜか周囲に火元もないのに焦げ臭さを感じるようになった。普段生活している時にはそんなもの感じないのに、決まって影が見えた時には何かが焼けた臭いが鼻をつく。ただの枯葉や紙なんかを燃やしたような焦げ臭さでは無い。鼻の奥にまとわりつくような不快な臭いと、刺激臭とが混ざりあったようなそんな焦げ臭さ、と。そこまで考えて気がついてしまった。あぁこれは、人が焼けた時の臭いだと。なるほど、この背後に居るこいつはただ真っ黒な影かと思っていたが、焼死体だったらしい。皮膚が黒く炭化してしまうほどに焼かれた、人だったものだ。未だにこうして彷徨っているということは、ひょっとしたらまだ死んだことに気がついてはいない……つまりは、生きたまま焼かれたのかもしれない、と。その何者かも分からないなにかにほんのわずかに憐れみを感じていると、また周囲でおかしな事が起き始めた。手を洗おうと捻った水道から真っ赤な水が流れでて止まらなくなったり、歩いていたら目の前にベシャリ、と何か生き物の皮を剥ぎ取ってぐちゃぐちゃに潰して丸めたような物が落ちてきたり、壁に爪が剥がれるまで引っ掻いたような傷が無数に着いていたり、細い隙間に血走った目が大量に……それこそ隙間なく詰め込まれていたり。十分置きに知らない番号からかかってくる電話をとると『死死死死死死、ね、呪われろ死死死』と絶叫されるか、謎のお経を聞かされるし、学校に置いてある上履きに溢れんばかりの爪が、まだ肉片も血もついたような状態で入っていた時には流石にどう処分するか困ったものだった。鏡に映る己
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