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    あおい

    yaginoura0811

    DONE好きの感情が迷子になったラカムとアオイドスの話。シリアス。アオイドスはふいに感じた重みに夢の中に片足を突っ込んだままの状態で薄っすらと目を開けた。
    暗闇のせいで何も見えなかったが、確かに感じる重みに身を捩る。
    遠くの意識の中で捉えた影はもぞもぞとアオイドスの胸元で動いている。

    これは夢なのか。
    それとも現実なのか。

    明確にならない世界の中でアオイドスは肌寒さを感じていた。
    今日は風もないし気温も低くはなかった。
    だが、確かに感じる寒気に少しずつ世界が明確になる。

    静かな部屋に寝息が響く。
    それが自分の寝息である事は分かる。

    そして今感じている寒気の原因も。

    ん、と寝息らしい息を漏らしてまた身を捩る。
    一瞬、戸惑ったように止まった影は一旦アオイドスから離れていく。
    だが、変わらず寝息を立てるアオイドスに再び重なっていった。

    唇に何かが触れる感覚がして目を閉じたままそちらに意識をやる。
    鼻腔を擽る嗅ぎ慣れたスモーキーな匂いに癒しさえ感じる。

    ふとした瞬間、その匂いが恋しくなる時がある。
    どうしようもなく。

    おそらく、相手も同じ事を思っている。
    そう思うだけで心が温かくなる。
    だけど、もしかしたら、それは自分の勘違いで、相手はそんな 1214