かなちゃん
asagaotouri
DONEはるかなわかりあえてると思いたいかなちゃん
遥の体温に触れるのが好きだ。物理的に触れれば、わからないようなことなんて何もなくなって、お互いにわかり合えてると信じられる。昔みたいに、寄り添ってなんでもわかり合えた頃みたいに、わかると信じられる。
うなされて目を目を覚ましたら遥がとんできてくれて、おれがいるから泣くなってと、手を握ってくれたことを思い出した。あたたかかった遥の体温。それが、今もすぐそばにあった。珍しく遥がソファで転寝をしていて、隣が空いていたのが嬉しくて、そこに座った。そして遥によりかかっているうち、眠ってしまったようだった。
重かっただろうに、遥はまだ寝ていて、なんで起きないんだろうなんて、この先は考えたらいけないような気がした。
307うなされて目を目を覚ましたら遥がとんできてくれて、おれがいるから泣くなってと、手を握ってくれたことを思い出した。あたたかかった遥の体温。それが、今もすぐそばにあった。珍しく遥がソファで転寝をしていて、隣が空いていたのが嬉しくて、そこに座った。そして遥によりかかっているうち、眠ってしまったようだった。
重かっただろうに、遥はまだ寝ていて、なんで起きないんだろうなんて、この先は考えたらいけないような気がした。
asagaotouri
DONE複雑なかなちゃん(複雑なんて言われてもね)
何が複雑だというのかわからない。遥と繋がれるあの時間。幸福感も高揚感も全部遥とともにあって、その時の音を聴いたはずの自称宇宙人は、複雑だと評した。
奏はヘッドホンもベースも傍に置いて、背中からベッドに倒れた。時々、あの時、対バンの後、曙に言われた言葉を思い出す。
複雑なことなんて何もないはずだった。だって自分の音楽は遥と繋がれるもの、遥のためにあるもので、ほかには何もない。何もないのに、その言葉を思い出すと胸のうちのどこかがざわざわとした。
もう忘れてしまえばいいと思うのに、その声はいつまでも残っている。
273何が複雑だというのかわからない。遥と繋がれるあの時間。幸福感も高揚感も全部遥とともにあって、その時の音を聴いたはずの自称宇宙人は、複雑だと評した。
奏はヘッドホンもベースも傍に置いて、背中からベッドに倒れた。時々、あの時、対バンの後、曙に言われた言葉を思い出す。
複雑なことなんて何もないはずだった。だって自分の音楽は遥と繋がれるもの、遥のためにあるもので、ほかには何もない。何もないのに、その言葉を思い出すと胸のうちのどこかがざわざわとした。
もう忘れてしまえばいいと思うのに、その声はいつまでも残っている。
asagaotouri
DONEかなちゃんと涼くん「奏くんだ」
声をかけられて、奏は開きかけていた口から言葉を続けることができなかった。かわりに、声の主の名前を呼ぶ。高い身長とニコニコした穏やかな顔。その首がちょっと傾げて、こっちを見ていた。
「ぼーの」
「うん」
その瞬間、なんだかどうでもよくなって、一緒にいた級友とは別れた。遥と最近たまに話をしているやつだったから釘をさしておこうと考えていたのに、すっかり気分ではなくなってしまっていた。
「よかったの?」
律儀に級友を見送りながら曙が問う。
その顔をじっと見ながら、奏はうんと答えた。
250声をかけられて、奏は開きかけていた口から言葉を続けることができなかった。かわりに、声の主の名前を呼ぶ。高い身長とニコニコした穏やかな顔。その首がちょっと傾げて、こっちを見ていた。
「ぼーの」
「うん」
その瞬間、なんだかどうでもよくなって、一緒にいた級友とは別れた。遥と最近たまに話をしているやつだったから釘をさしておこうと考えていたのに、すっかり気分ではなくなってしまっていた。
「よかったの?」
律儀に級友を見送りながら曙が問う。
その顔をじっと見ながら、奏はうんと答えた。
Shinoyuki_trhm
DONEリアクションたくさんありがとうございます😂嬉しいです🙈別アカで載せた彦ちゃんと桃ちゃんの話載せておきますね〜
これ、🐥🍑高校一年生の時の話だと思います。
カナちゃんと彦ちゃんは、私の中では年子です。ちなみに前回の彦桃も。 8