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    しんじ

    largesleepyhead

    DONE2022.11.29:WEBオンリー終了につきパスワード解除

    大遅刻の寂左寂、なんとかできました。
    付き合ってないエロなし全年齢ですが、自分としては少しラブコメっぽい、微糖な感じを目指した…つもりです。

    銃兎さんと理鶯さんが最後のほうでちょこっと出てきます。シンジュク市民のモブも出てきます。

    拙い文章ですが、お楽しみ頂ければ何よりです。
    オンリー主催のいわい様、ありがとうございました!
    どうしたもんか、エリック・サティ「しっかしあんた、マジで納豆好きなんだなァ……」

    エスカレーターの上で、碧棺左馬刻は後ろに立つ神宮寺寂雷に問うともなく呟いた。

    「スープカレーまで納豆入りとか、ちょっとビビったぜ」

    晩秋の昼下り。
    所用で寂雷の元を訪れた左馬刻は、寂雷の誘いで、とある西新宿の高層ビルの地下の食堂街で昼食を摂ったのだった。

    「ふふ、悪くはなかったでしょう?」
    「……まあ、そうだけどよ」

    返す言葉に我ながら切れがない自覚がある。

    「つぅか味見っつっても、"あーん"はねぇだろがよ、"あーん"はよ……」

    つい30分ほど前のことだ。

    自分が注文した「骨付き地鶏と牛すじのスープカレー」が届くまでの間、自分ならまず頼まないであろう「北海道産丸大豆の納豆と有機ホウレン草のスープカレー、玄米ごはん変更」なんてものを喜々と口に運ぶ寂雷を、ついしげしげと見つめていた。
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    もちごめ

    PROGRESS※10月10日の神なぎて3で出したいと考えている神ナギ原稿の進捗です
    ※ポンチ吸血鬼によってシンデレラの世界に飛ばされる神ナギ
    ※シンデレラを魔改造しまくりです
    ※『いつもの神ナギ』と『王子のシンジ×灰かぶりの辻子(女体化/四月馬鹿関係無し)』の2組が存在する設定
    ※281死に初登場のキャラが出ます
    灰かぶりと山羊目の王子/神ナギ ここは魔界都市新横浜。ここでは今日もいつものようにポンチな吸血鬼が現れ、ポンチな術を撒き散らかしているのだった。
    「我が名は吸血鬼 童話の世界大好き!諸君らにはおとぎの世界に旅立ってもらう!お前も、お前も・・・おおっと!今、目があったそこのふたりにもだ!」
    そう高らかに笑う吸血鬼が目をつけたのは、偶然にもヴァミマから出てきたばかりの神在月。それと、そのアシスタント兼恋人であるナギリだった。彼らは事態を把握するよりも先に、素早い相手の術中にハマってしまう。そして、訳も分からない内に、ふたりの意識は得体の知れないものにぐんぐんと引っ張られ、どこかへと飛ばされてしまったのだった。

    ***

    「いてて・・・」
     意識を取り戻した神在月は、瞬きを数回繰り返した。どうやら先ほどの吸血鬼との遭遇後、しばらく気絶していたらしい。すぐさまナギリに声を掛けようとした神在月だったが、それよりも先に目の前に広がる光景にあっけにとられた。どこまでも広がっていそうな雄大な森の姿がそこにあったのだ。だが、振り返って自分が背中を当てていた硬いものを見れば、彼の驚きは一層に増していく。そこにあったのは石を組み合わせて作られた建物。ゆっくりと視線をあげていけば、それが巨大な城だということに否が応でも気づかされる。西洋の写真や絵本。映画や漫画の中でしか見たことがないものが、今、目の前にあるのだ。友人のあだ名にもなっている某ネズミーなテーマのパークにある建物で代表格ともいわれるものが、確かにそこに存在していた。
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    限界羊小屋

    DONE用語
    <キルドレ>
    思春期で成長が止まり決して大人にならない種族。一般人からは異端視されている。
    ほとんどが宗教法人か戦争企業に所属して生活する。
    <戦争>
    各国に平和維持の重要性を訴えかけるために続けられている政治上のパフォーマンス。
    暴力が必要となる国家間対立は大方解決されたため実質上の意味はない。
    <シブヤ/シンジュク>
    戦争請負企業。
    フレリン航空士パロ 鼻腔に馴染んだガソリンの匂いとともに、この頃は風に埃と土の粉塵が混じっていた。緯度が高いこの地域で若草が旺盛に輝くのはまだもう少し先の話。代わりのように基地の周りは黒い杉林に取り囲まれている。花粉をたっぷりと含んだ黄色い風が鼻先を擽り、フレットは一つくしゃみをした。
     ここ二ヶ月ほど戦況は膠着していた。小競り合い程度の睨み合いもない。小型機たちは行儀よく翼を揃えて出発しては、傷一つ付けずに帰り着き、新品の砂と飲み干されたオイルを差分として残した。だから整備工の仕事も、偵察機の点検と掃除、オイルの入れ直し程度で、まだ日が高いうちにフレットは既に工具を置いて格納庫を出てしまっていた。
     無聊を追い払うように両手を空に掲げ、気持ちの良い欠伸を吐き出した。ついでに見上げた青の中には虫も鳥も攻撃機もおらず、ただ羊雲の群れが長閑な旅を続けていた。
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