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    たくち

    tri__er

    DOODLE影犬のちゅー、セフレの時のほうがめちゃくちゃ好き勝手に相手の意思とか関係なくしたい時にしたいまましてたのに、いざ付き合ってからはお互いの出方を窺ってまったくちゅーできなくなるの可愛いなぁと思った妄想の発露です

    「……ねぇ」
    「なんだよ」
    「…………べつに」
     チリッ、と唇に走る熱。
     やりたきゃいつもみたいに影浦の気持ちなどまるで無視してすればいい。
     なにも、はじめてというわけではないのだし、お利口に我慢するような間柄でもない。形を変えたはずの関係ならば、なおさら。
    「じゃあまたね」
     ふい、と逸らされる視線。
     今日もまた、見え見えの欲を抱えたそのまま、犬飼は影浦のもとを去るつもりらしい。
     常々何を考えてるか分からない男だが、最近はさらに分からない。そのくせ、筒抜けでもある。
     これで何回目だ、と考えて。指が5本たたんで5本ひらいてしまうことに気がついてしまったら、もうだめだった。
     くそ、と胸の奥でモヤモヤと鎮座するわだかまりを吐き出すように、苦々しく舌打ちをしてから影浦は犬飼の頭へ手を回した。
    「……っ、なに」
    「うぜーんだよ、ずっと」
     視線が絡み合ったまま、ゆっくりと顔を近付ければ碧色の奥が期待に弾ける。
     うれしい、とあまりに無防備な気持ちを渡されて、触れるまであとほんのわずか、というところで思わず止まってしまった。
     まじまじと犬飼を見 1361