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    ぱち

    katkontou

    DOODLEよく分からないパチョフィン
    悲しい目にあった時に飛び蹴りをする彼の話 寮に帰ろうと放課後の廊下を歩く。マッシュ君は近くにいない。今日行われた抜き打ちテストでひどい点数を取ってしまったらしく、とうとう補習へと引き摺られてしまったのだ。
     一人で帰るのが久しぶりな気がするな、と思いながら足を動かしていると目の前から男子生徒三人が話しながら対面から来るのが見えた。彼らの顔に見覚えがある。内部進学組だ。リーダーの男は粗暴で取り巻き達もあまりいい人柄とは言えず。……彼らと顔を合わせた事もあったがいい思い出はない。
     嫌な予感がしたけれど、迂回するにはだいぶ引き返さなければいけない。仕方なく視線を下に向けながら僕は空気だと言い聞かせて歩く。
     彼らとすれ違った瞬間に右足に何かがぶつかって転んでしまった。グループのリーダーらしき人物がこちらを見て嘲笑う。どうやら足をかけられたのだ。膝に痛みを感じながら立つと、彼らはクスクスと笑いながら歩いて行った。その姿を見て昔を思い出す。マッシュ君達と友達になっていない頃、弱くて言い返す事もやり返す事も出来ない自分はこういう目によく遭っていた。マッシュ君達がいる時にはされなくても、こうして一人になった時はこうした小さな嫌がらせはまだある。それでも我慢しているのは、偏に反抗した時に生意気だとひどい仕打ちを受けたから。言い返したりすのにもやっとなのに、大変な目に遭わされるのだから、自分だけが対象なら我慢する方がよっぽど楽だった。
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