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    アロ

    tabechauzooooou

    DONEなんか続いたRoP S2のEP9という強めの幻覚。
    ドラマ版から妄想を膨らませてみたお話です。

    前回の続き…というほど話は進展せず、回想に終始しております。長いです。
    アロくん視点でみたロンドくんのあれこれ。
    ※若干香るギルエル風味。
    ※癒しの力についての設定などの色々は完全なる捏造です
    透明な水 2 エルロンドと共にエルフたちの治療にあたったアロンディルも、初めは治療を受ける側にあったヴォロヒルも、彼に目覚めた〝癒しの力〟のことはよく知っていました。ヴォロヒルに至っては、最初にその力の恩恵を受けた相手であったかもしれません。何しろ、ガラドリエルにネンヤの指輪を返したのち、谷で再会したヴォロヒルの傷を、どうやら無自覚に癒してみせたエルロンド本人が、誰よりも驚いた顔をしていたのですから。
     本人曰く「理屈がわからない」のだというそれは、身に覚えもなければ、元々備わっていたという類のものでもなく、特に思い当たる由来すらもないようなのです。おそらくは、ガラドリエルの傷を癒し、闇を祓った際、一時的に嵌めたネンヤの力を使ったことで、その膨大な魔力の一部なりがエルロンド自身の身に移ったのではないか、という見立てでした。
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    tabechauzooooou

    DONE前回アップしたRoPのS2EP9という強めな妄想の完成版です。
    裂け谷の前身でエルフ男子3人がなんか良い感じに団体行動してたらいいなという願望を形にしました。
    ロンド&アロ&ヴォロです。よろしくお願いします。

    ※腐ってませんが、腐ってるひとが書いてるのでそれなりに匂うと思いますのでご注意を!
    透明な水「あった!」
     と、よろこびと安堵の入り混じった声が聞こえた、そのほんの一瞬のちのこと。そちらを振り向くよりも先に、あ、と短い声がつづきました。それとほぼ同時に、みしりというようないやに鈍い音が響き、足元の草花を検分していたアロンディルがようやく振り向いたころには、視線の先にあるべき姿は、もうとっくにそこに無かったのです。あるのは平穏を絵に描いたような、聖域たる谷間の豊かな自然ばかりで、やや遅れて、どぼん、どぼん、ばしゃん!と、派手な水音が、下の方から続けざまに聞こえてきました。
     あわてて、崖(というほどの高さもありませんが……)のへりに駆け寄ったアロンディルは、慎重に片膝をついて、下を覗き込みました。この下には、地中から水の湧き出る、水溜りと呼ぶには少し広めの泉があるのです。常ならばそこは、まるで水など無いかのごとくに凪いで、どこまでも透明に澄んでいました。ところが今は、水面に小波が立ち、水を薄茶色に濁らせる土の塊がくずれたり水中へと沈んだりをしていました。そのまんなかに泡がたったと思ったら、やがて先ほどの声の主の黒い頭が浮かび上がってくるのが見えたので、ひとまずの安堵の息がこぼれました。この泉は、場所によってはどうやら少しばかり深くなっていたりする様子でしたから、落ちてしまったひとが心配だったのです。
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