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    イタチ

    13_rooms

    DONE2024/5/5 賢者の超マナスポット2024で配布した本の再録
    「あなたは海になりなさい」(プランツドールパロ)の前日譚です
    ◇あらすじ
    シャイロックが魔法舎の図書室に持ちこんだ長椅子で眠ると、時々不思議なことが起こる。その日図書室で転寝をするファウストのそばに現れたのは、彼によく似た面差しの人形だった。
    ファウストによく似た人形の面倒をみるネロと、それをとりまく魔法使いたちの話。
    天国から花束 図書室に長椅子を持ち込んだのはシャイロックだった。深い臙脂のベルベッドがつかわれた品のいいやつで、猫足は滑らかな曲線をしている。凭れると心地がよく、ワインで酩酊したようなうっとりとした気分を味わうことができた。本を読むにはいささか不向きな気もするが、「だからですよ」とシャイロックは微笑む。
    「うつくしい物語の余韻を味わうには、それ相応の寝床がなければ無粋というものでしょう」
     それが正しいかどうかはともかく、魔法舎の連中は案外この特等席を好んだ。ムルをはじめとする西の面々は勿論、フィガロやアーサー、時々はミスラまでもがひじ掛けに長い足を投げ出して、猫のようにくつろいでいる。(先日はヒースがうたた寝をして、シノが可愛いとはしゃいでいた。)俺はといえば、居心地が良すぎると却って落ち着かない気持ちになるので、せいぜい遠巻きにみるくらいだ。綺麗すぎる水に魚はすまないと、賢者の世界ではいうそうだけれど、俺も似たようなものかも知れない。あまりに丁寧に心を尽くされたりすると、自分が不当に善意を搾取しているような罪悪感を感じるのだ。「損な性分だな」と笑ったのはファウストで、そうなんだろうなと俺もおもう。最も、そういう彼だってあすこに座っているのをみたことがないのだから、それはお互い様なのだけれど。
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    はるつき

    DOODLEちーとど。
    多くを語らないちぱやともっとちぱやのことが知りたいあおいちゃんの話。
    キッスも手も繋がない少女漫画BL。

    初めて書いたちーとどの後軸の話。
    初書きの奴は手探りがすぎるのでダメージ食らうけど解釈としては結構あってたのかもしれないなと思います。
    君と話がしたいのだ「好きだなぁ」
    ロッカールームで無意識にこぼれた千早の本音。泡沫のように消える前に藤堂がそれを易易と拾い上げた。
    「俺も」
    キャッチボールのように言葉を返すと珍しく千早がそれを取りこぼした。
    イップス克服のための練習の時ですら必ず捕球していたのに珍しいと藤堂は顔をあげて千早の顔を見る。
    「俺今なんて言いました?」
    耳まで真っ赤なのに額から目元はやや青白い。器用な男は顔色も自由自在なのかと感心する。
    「好きだって言うから。オレも好きだって返した」
    藤堂からしたら僥倖だった。最近気になる相棒から好意を伝えられて断る理由はない。むしろ千早も同じように思ってくれていたならこれ以上の幸運は無かった。
    この後藤堂のそんな思いを知る由もない千早に言うつもりはなかったので忘れてくださいと泣かれたのは予想外だったが、とにかく二人はこうして恋人関係となったのである。
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