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    ウェブ

    干し②

    DONEジュノヨルジュノSS
    除隊後、ジュノの家で一緒に食事しながら、ジュノの父親の通夜に参加した時のことを回想するホヨル。左右表現なし。暗いです。
    ウェブアンソロ参加のために用意しているSSの途中に書き入れていた場面ですが、雰囲気が違いすぎるので分けました。タップで全文表示されます。
    ニューゲーム 鍋の底にある伸び切った麺をよけながら、赤く染まったトックやネギをつまみにソジュを煽る。ハン・ホヨルがアン・ジュノの家で食事をご馳走になるのはこれが初めてではなかった。最初はサムギョプサル、次はカルグクス。ジュノの母親が痩せ身のホヨルを心配して、二人の除隊後は頻繁に食事に誘ってくれた。断った後の悲しそうな反応が耐え難く、ホヨルは都合がつく時には簡単な手土産を持ってジュノの家の食卓に混ざるようになっていた。

     ジュノの家の居間には黒い額縁がかけられている。額にはジュノの父親の写真が収められていて、不満げにこちらを睨んでいた。彼は一年ほど前、飲み屋から帰る途中で川に落ちて、翌朝まで見つからずに川底で息を引き取った。ホヨルは自分以外の弔問客が帰った後も、通夜振る舞いのユッケジャンを匙でつつきながら残っていた。隣に腰掛けてきた喪服のジュノは、ホヨルにだけ聞こえるような小さな声でぽつりぽつりと言葉を溢した。
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    akaihonoga39391

    DONEキスディノウェブオンリーの展示作品3

    サブスタンスの影響で自我を持ったキースのパンツが主人公のお話です。
    前作はこちら→https://poipiku.com/3252363/8147965.html

    七緒さんの自我ありキースのパンツとのクロスオーバー作品となっております。
    七緒さんの作品はこちらから→https://poipiku.com/2034782/8150839.html
    自我ありキースのパンツ、正妻争いをする〜コンテンポラリーラップ戦〜「キース、そろそろ起きないと一日が終わっちゃうぞ!って、うわ。どうしたんだよこれ」
    「……あ?」
     ディノが驚いた理由はキースが眠るベッドの周囲の惨状だった。なぜか、キースのパンツが散乱していたのだ。
    「キース。昨日夜中にお酒でも飲んでたのか?こんなにパンツを散らかしておくなんて」
    「はあ?んな訳ねぇだろ……」
     キースは重たい瞼を擦りながらあくびをし、むくりと起き上がった。そして、ベッド下の惨状を目にすると訝しげに眉を顰めた。
    「……まさか、夢じゃなかったのか?」
    「どう言う意味?」
    「いや……」
     キースは真剣な瞳でパンツを見つめる。先程まで見ていた夢は、夢ではなかったのかという疑問が頭の中を駆け巡った。お徳用三枚セットで買った緑色の縞々パンツ──まさかそれらが、夢の中でコンテンポラリーダンスをしながらラップバトルをしていただなんてディノは信じてくれるのだろうか?
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    SONOKO

    DONE実は、個人誌「明日を見つけに/星を降らせる魔法」の2人です。
    2回目のお宅訪問、ということでウェブイベントの展示小説にしました。
    キャンセル不可 彼女の部屋まで送る道。名残惜しい空気の中で、コーヒーでもどうか、と年下の恋人が言った。
     彼女は同世代と比べれば大人びている方だけれど、彼より一回り下。彼女の過去の経歴から考えても男女交際については疎いだろうし、ましてや夜と称するような時間帯に一人暮らしの自分の部屋に男を招き入れるなど褒められた行いではない。
     しかし、彼は彼でいわゆる普通の恋人ではなく、なかなか彼女との時間を作れない忙しい人間だった。一月いや二月に一度、外で夕食を共にするくらい。付き合ってからそこそこ日が経過しているものの、二人は交際しはじめたばかりの初々しさを残したままだ。
     普通の恋人同士を知らない彼女でも、さすがにもう少し相手と一緒に過ごす時間が欲しいようであるし、その気持ちは彼も同じだ。彼女が彼を全面的に信頼していることも、このお招きに裏がないこともわかっている。それはそれでお邪魔した後に葛藤することになるだろうけれど、それはさておき彼は二つ返事で頷いた。彼女はほっとした様子で微笑む。二人は車を降りて、部屋までの階段を一緒に上がり始めた。
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