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    カヤ

    takamura_lmw

    DONE🎉ししさんお誕生日おめでとうございます🎉
    ししさんお誕生日のさめしし、もしくはししさめです。
    一月に書いたさめせんお誕生日SSの続きです。

    あなたのこれからの人生が、あなたにとって素晴らしいものでありますように。
    できれば長生きしてください…頼む…ギャンブルなんかやめろ…ワンへなんか行くな…
    「誕生日、おめでとう」『村雨、八月二十七日って空いてたりするか』
     恋人の声を聞いた途端、村雨礼二はいざという時の切り札に確保していた上司の弱みを、ここで行使することを決めた。空いた片手で猛然と上司にビジネスチャットを打ちながら、頭の中では担当の患者とそのタスクについて素早くチェックをかける。どうしても村雨でなければならない仕事はないはずだ。あのネタをちらつかせれば上司は確実に休みを寄越すだろう。
    「休みは取れる。どうした」
    『即答だな』
    「偶然ここのところ手が空いていてな」
     嘘だった。所属する医局もいわゆる「バイト」先も相応に多忙だ。だがそれを彼に悟らせるつもりはさらさらなかった。
     村雨がここまで即座に恋人の―――獅子神敬一の、願いとも言えないような言葉に応えたのは、彼の声になにか特別なものを感じたからだった。不安でも、歓喜でもない。怒りでもなく、愉楽でもない。ただどこか尋常でなく、特別なもの。絶対に逃してはならないなにか。ほとんど第六感のようなものだが、村雨はそういった感覚を重視する性質(たち)だった。
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    えだつみ

    PROGRESS書き下ろしと言いつつ11月23日のWEBオンリーで全文公開する予定
    ちょっと不穏な状況で三日月と鶴丸が邂逅して何やかやする話
    【つるみか】11月の再録本に載せようと思っている書き下ろし冒頭 IDと許可証の提示を、と求められて、鶴丸国永は万屋街の入口で立ち尽くすより他なかった。
     本丸から、そう少なくもない頻度で通っている、いつもの政府管轄の万屋街である。日用品を売る店があり、酒を売る店があり、飲み食いの出来る店があって、奥へ進めば大きな声では言いづらい用を足せる店までもが並ぶ、本丸所属の刀剣男士であれば訪れたことのない者はほとんど居ないと言ってもよい、馴染みの場だ。鶴丸は今日ここへ、本丸の用足しにやってきた。厨に常備する調味料の類を、買いに訪れたのだった。
     いつもと様子が違うことは、近づいた時点で察していた。万屋街は政府が構築した一種の仮想空間であるという性質上、本丸と同じく四方が塀で囲まれており、出入口は一箇所に定められていたのだったが、その一箇所しかない出入口にやたらと人だかりが出来ていたのである。見ると、そこは関所のごとく通り道が狭められ、入る者と出る者がそれぞれ制限されている様子であった。鶴丸は、入ろうとする者たちが作る列の最後尾に並び、呑気に順番待ちをした上で、いよいよ、というところで思いがけない要求にあった。それが、IDと許可証の提示であった。
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