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    キョン

    オルト

    TRAINING1288文字
    ちゃいなのタイカケ
    恒例のガチキョンシー。ヒロ様視点の話です。
    「うー……」
    「ご、ゴメンナサイ……」
     唸るカケルを前に、タイガは深々と頭を下げた。ギリギリと歯ぎしりをして、生気のない目でタイガを見つめるカケルは、普段の愛らしい姿とは異なり「キョンシー本来の姿をしているな」と他人事のように思った。自分が一声かければ大人しくなるのをわかって入るけど、ここはカケルの気持ちを尊重して俺は黙って見ていることにする。
    「あぅ! た! やっ!」
     カケルは吠えるように大きな声を出し、一生懸命に言葉を紡ごうとする姿は可愛らしく見えるけど、タイガは顔を青くしている。
     カケルが怒ったのは、ほんの些細な出来事が発端だった。俺とカヅキがゲームをしていて、それをタイガとカケルが見ていた。珍しくカヅキが勝ったところで、タイガがカヅキをべた褒めした。所までは良かった。それでタイガがカヅキにゲームを一緒にやりたいと言い暫くプレイし、それに飽きると今度は特訓して欲しいとせがんで庭で特訓に励んだ。その間、カケルはタイガに構って欲しくて何度も声を掛けたし、タイガの服の裾を引いてアピールしていたのに、カヅキに夢中だったタイガは少しばかりカケルを邪険に扱ってしまった。普段はそんなこと 1324