クリフ
sauco_trigo
REHABILI東の魔法使いが嵐の谷で二組に別れて授業準備をする話。ヒースクリフとネロ、シノとファウストの会話。子供たち視点。「ほ、本当に探していいのかな」
「先生が探せって言ったんだからさ、んな気にすんなって」
宥められても手を出せないヒースクリフを見かねたネロが、苦笑混じりにヒースはこっちと棚を開けてくれる。躊躇いは継続しつつ敷居はぐんと低くなって、ほっとしながらありがとうと礼を口にした。
本人不在のまま先生の私物を漁る、どうにも気おくれしてしまう。けれど目的がはっきりしているのは確かだと、ヒースクリフはひとつ大きく息をして標本のようなものが並ぶ棚へと手を伸ばした。偉いと背を撫でてくれたネロの手が、優しくて頼もしかった。
授業の一環で、とある魔法薬を作ることになった。
ファウストは魔法舎での精製を前提としていたが、嵐の谷で作りたいとごねたのはシノだ。ファウストの家の近くで材料を見かけたことがある、現地調達できれば手っ取り早い。ヒースクリフは慌てて我儘を言うなと咎めたが、多少思案しつつファウストは思いのほか軽く承諾した。
8706「先生が探せって言ったんだからさ、んな気にすんなって」
宥められても手を出せないヒースクリフを見かねたネロが、苦笑混じりにヒースはこっちと棚を開けてくれる。躊躇いは継続しつつ敷居はぐんと低くなって、ほっとしながらありがとうと礼を口にした。
本人不在のまま先生の私物を漁る、どうにも気おくれしてしまう。けれど目的がはっきりしているのは確かだと、ヒースクリフはひとつ大きく息をして標本のようなものが並ぶ棚へと手を伸ばした。偉いと背を撫でてくれたネロの手が、優しくて頼もしかった。
授業の一環で、とある魔法薬を作ることになった。
ファウストは魔法舎での精製を前提としていたが、嵐の谷で作りたいとごねたのはシノだ。ファウストの家の近くで材料を見かけたことがある、現地調達できれば手っ取り早い。ヒースクリフは慌てて我儘を言うなと咎めたが、多少思案しつつファウストは思いのほか軽く承諾した。
GamE9joY
DOODLEAEDDコンビの落書きの続き、唐突に終わる設定や背景は一つ前のポイピク「脱走」参照
前回までのざっくりとしたあらすじ
とある研究所の一般公開エリアにある技術館に展示されていた展示用電気百足のヒースクリフは脱走した。そしてバックヤードの実験用電気百足のグレゴールと出会い、彼の水槽をかち割って出してやったのだ。グレゴールも満更じゃなさそうにバックヤードの一室から出たのだが……
続・脱走「……あ。」
「うおっ、なんだよ急に止まるんじゃねぇ!」
小柄で眼鏡をかけた壮年男性の姿だが右腕だけは本来の姿を模っている電気百足は、自身の閉じ込められていた部屋から数歩出て立ち止まる。続いて出た、釘バットを手にした傷だらけの青年の姿の電気百足は、すんでのところでぶつからずに済んだが代わりに苛立ちを口にした。
「いやぁ、な?」
彼の右腕は鎌首をもたげると、ウロウロと揺れる。
「行くあてがないんだ。どうすりゃいいかな。」
「そんなん知るか! ……あー……」
青年は思うと同時に口に出していた。しかし同属のよしみか、解放した責任を感じたのか、少し考えるように声を漏らす。
「何をしたいかでもいいんじゃねぇの。」
「ふぅん。」
2561「うおっ、なんだよ急に止まるんじゃねぇ!」
小柄で眼鏡をかけた壮年男性の姿だが右腕だけは本来の姿を模っている電気百足は、自身の閉じ込められていた部屋から数歩出て立ち止まる。続いて出た、釘バットを手にした傷だらけの青年の姿の電気百足は、すんでのところでぶつからずに済んだが代わりに苛立ちを口にした。
「いやぁ、な?」
彼の右腕は鎌首をもたげると、ウロウロと揺れる。
「行くあてがないんだ。どうすりゃいいかな。」
「そんなん知るか! ……あー……」
青年は思うと同時に口に出していた。しかし同属のよしみか、解放した責任を感じたのか、少し考えるように声を漏らす。
「何をしたいかでもいいんじゃねぇの。」
「ふぅん。」
イノナカ
DONE@PCS_TLエアダン立ち絵進捗
追記5 いろいろ変わったし実はそれぞれに失敗クリファン差分がある。画像は成功兼通常差分。
追記6 通常色分け終了
追記7 差分色分け終了
追記8 方向性設定。魔王か?
追記9 通常進捗
追記10 通常終了。テコ入れはするかも
追記11 魔法差分外套のみ。
追記12 終わらん
追記13 終わらん
追記14 終わらん
追記15 終わり 16
GamE9joY
DOODLEAEDDコンビで書いてみたもの。研究所一般公開エリアの技術館に展示されていたヒースクリフと、研究所非公開エリアで研究・実験に使われていたグレゴールが、一緒に研究所を脱走する話。
AEDDコンビの設定
おおもとの電気百足から抽出された子ムカデ。
通常形態(百足の姿)、擬態形態(いわゆる通常ego)、暴走形態(いわゆる侵食ego)の3形態がある。普段は通常形態だが、人間とコミュニケーションを取ろう
脱走憂鬱な1日が始まる。
透明な壁を隔てた向こう側にやってくる老若男女は、何かを読んでは何かをいじるような動作をする。すると今いる空間が、途端に地獄へと変わるのだ。ある時は水に、ある時は自分の発するものではない電気に襲われる。痛みや不快感にのたうち回っていると、向こう側の人間たちの感嘆の声が聞こえ、頭を向ければ驚きや喜びといった表情をしているのが目に入った。気に食わなくて頭を壁にぶつけて脅してやればビビったような素振りは見せるものの、壊せないのを知っているのかどこか余裕が見て取れ、余計に不快感が増すのみで。人がいなくなる頃には疲れて何かをしようという元気もなく、ただ残りの時間を回復のために大人しく過ごすしかなかった。
1930透明な壁を隔てた向こう側にやってくる老若男女は、何かを読んでは何かをいじるような動作をする。すると今いる空間が、途端に地獄へと変わるのだ。ある時は水に、ある時は自分の発するものではない電気に襲われる。痛みや不快感にのたうち回っていると、向こう側の人間たちの感嘆の声が聞こえ、頭を向ければ驚きや喜びといった表情をしているのが目に入った。気に食わなくて頭を壁にぶつけて脅してやればビビったような素振りは見せるものの、壊せないのを知っているのかどこか余裕が見て取れ、余計に不快感が増すのみで。人がいなくなる頃には疲れて何かをしようという元気もなく、ただ残りの時間を回復のために大人しく過ごすしかなかった。