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    sauco_trigo

    @sauco_trigo

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    REHABILIファウストの誕生日直前、建国の魔法使いの聖誕祭にわく中央の市場で買い物をするシノとヒースクリフとネロの話。
    シノ中心で東の魔法使いたちの話、続く予定。
    世界線は箱庭と同じ。時系列が「やわらかな夜に」と「箱庭の星月夜」の間でカプ以前。
    市場に溢れる目移りも鼻移りもする出店の数々に、歩きながらあれもこれもと買い込んでいたらすぐに両手一杯になってしまった。シノの左右にいるヒースクリフとネロに渡すふりをしながら足を止めずに魔法で少しずつ消して、そのうちのひとつは食ってみろと実際にそれぞれ手渡した。ヒースクリフは戸惑った顔をしている。

    「美味しそうだけど···食べ歩きは苦手だから···」
    「何も考えずにかじりつけばいい。おまえなら何をしても様になるから、それだけで周りの連中が振り向くぜ」
    「い、意味がわからない」
    「はは、シノらしいな。ヒースも難しく考えないでさ、作りたてを味わうのも食い歩きの醍醐味だって」

    ほれと手本のようネロがホットドッグにかじりついた。右腕は買い込んだ食材で塞がっており、左手だけで包みを下げている。やっぱり器用なやつだと感心しつつ、ネロに誘われてわたわたと両手で持ったドーナツを食べようとしているヒースクリフはかわいい。
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    DONEネロファウ。
    ネロの隣室がレノックスであることに纏わる色々と、ファウストのとある決心と、大事にされなれていないネロが頑張ってそれを受け入れている話。
    「ごちそうさま、ネロ。今日の夕飯も美味かった」
    「そりゃどうも」

    いつもの無表情であっても、心からの賛辞であるとわかるレノックスの礼に応えつつ、使った皿はそっちと指示をした。
    数人分をまとめて持ってきたらしい、両手に積まれた食器を危なげなく指定した場所に置いてくれた。人数が人数なので流し台には入りきらないため、一度作業台のあけたスペースに置くようにしている。
    「手伝ってもいいか」と聞かれたので、「じゃ、お願いしようかね」と甘えることにした。一人のほうが気楽だからと断ることが多いが、こういうさり気無い聞き方をされると甘えさせてもらおうかなという気持ちになるのだからさすがはレノックスだ。
    黙々と片付けをしているとおこちゃまたちが集団でやって来て、手伝いをするレノックスにいいないいなと一頻り騒いで去っていった。なんだいいなってと笑っていると、また一人食べ終わった魔法使いが入ってくる。振り向けばそこにいたのはファウストで、並んだネロとレノックスを交互に眺めてきた。
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