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    タリア

    kotobuki_enst

    DONE付き合ってないけどキスはする茨あん。喫煙表現あり。今の時代、煙草は薬や通院で楽に止められるとか聞きますがそのあたりあんずさんはどうなんでしょうね。
    コールドターキー この部屋の監視カメラは右奥の天井に一台。唯一の出入り口であるドアの方向を向いて部屋全体を見渡せる場所に設置してある。とはいえ、カメラが一台だけではどうしても死角というものが生まれてしまう。この部屋で言うならばカメラの真下の壁際などは撮影可能な範囲外であり、何をしようが記録には残らない。違和感のないように可動式のホワイトボードをそちらへ持っていけば、後から映像を確認されたとしても不審がられる可能性は低い。このような穴場スポットをそのままにしておくのは不正や悪事の温床になりかねないが、自身もこうして悪事に使用している以上、簡単になくせはしないのだ。
     彼女の下唇をやわく食む。どう応じればいいのかわからないらしい彼女はされるがままに、けれど二の腕のあたりの袖をぎゅっと握ってくる。このまま戸惑った様子の彼女を堪能してもよかったが、もっとわかりやすい触れ合いがしたくて唇の間から舌を忍ばせた。こちらのキスの方がよっぽど慣れている彼女は勝手知ったる様子で舌を伸ばし、舌を絡めながら表面同士を擦り合わせてくる。唾液が口の中で湧いて出てきて、舌を動かす度に水音が立つ。彼女の両耳に指を差し込めば、服を掴む手の力が強まった。
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    あたりめ

    DONEタイトルは@udonisoishii様の「タイトル考えったー」からお借り致しました

    本編完了後の10年後で、イタリアに移籍した綱吉くんと、面倒見のいい部下の骸さんの一コマ
    2人は付き合っててやることもやってます。
    雰囲気だけなのでゆるっと読んで頂けたら幸いです。
    綱吉くんは大分スレてて電波気味だし、骸さんもツッコミを放棄してます。カオスです。イタリアとボンゴレ周りについての捏造を多大に含みます。
    歴代の眠り ボンゴレ本部があり、昨今は己が庭のように感じるイタリアの大地に彼らは眠る。彼らとは、歴代のボンゴレの長である。荘厳な教会の奥、関係者しか立ち入ることが許されていない一角に、ドン・ボンゴレたちの墓が存在する。小高い丘に一際大きな十字が建てられており、ぶら下がる白百合のリースが、イタリアの穏やかな風に揺られている。ボンゴレプリーモ–ジョットに捧げられたリースはあたかも聖人を讃えるかの如く、小ぶりながらも清廉で高潔な匂いを撒いていた。
     この風景を現在のボス、ボンゴレデーチモである沢田綱吉はいたく気に入っていた。緑広がる丘に髪に吹き抜ける潮風、白を基調とした海の街の爽やかな風景、教会から響く、死者を弔い生者を慰める鐘の音…紺碧の水面がキラキラと乱反射するたび、あの光は先代たちの炎の煌めきで、今でもここからボンゴレファミリーや、ひいてはこの街全体を見守っているんじゃないかと錯覚する。特に彼の出身である日本ではこんな風景は滅多にみられず、目の前の光景は何処か御伽めいているように感じられた。死者を神聖視したいわけではないが、現在進行形でマフィアを束ね、数え切れない程の罪を犯した己がいてはいけない場所のような気がしてきた。重ねてきた罪は目の前で安らかに眠る彼らの方が大きく重たいのだろう。しかし罪の背比べは、罪悪感に苛まれながらも、どんどんと初々しい感情を無くし、他人を傷つけることを厭わなくなってきた綱吉には意味の無いものになっている。誰かを傷つける大義名分に「大切な人を守る」を使うあたり、綱吉は自分がとても姑息な人間なんじゃないかと信じて疑わなかった。こんなにブルーな思考に陥っていると、かの家庭教師に一発蹴られそうだが、生憎この場には、あの時より背の伸びた最強の殺し屋は来ていなかった。
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