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    ビリー

    れんこん

    DONEビリーが居なくなってしまった話。
    未来ごりごり捏造しています。
    すっかり慣れ親しんでしまったタワー。
    最早実家よりも馴染んでしまうくらいになったそこでの生活。
    パトロールが終わって、後は眠るだけの時間。
    ……今日は夜から出掛けるのはやめよう。

    昔程は毎日のように夜遊びという無茶はしない。
    まぁ頻度がほんの少し減っただけ。特に大きくも変わらない。相変わらず女の子からの連絡は沢山くるしね、むしろ昔よりさらに増えたくらい。
    理由と言えば、少しだけ明日のヒーロー活動のために睡眠を取らなきゃいけないかな、なんて思った時だけ眠るようにしている。
    今日の理由はほんのちょっと、違うけれど。


    最早見慣れてしまった街でパトロールをしていた。
    ただいつもと変わらないその日常で、今日は背景のひとつだったキャンディショップが目に入った。綺麗にまるで花束みたいにラッピングされたロリポップが明るいオレンジ色のリボンで纏められて。恐らく誰かへのプレゼント用か、ただのディスプレイなのか。わからないけど。
    あの時渡したそれにすごく似ていたな、なんて思ったらぽっかり空いていた穴みたいなものに久しぶりに引き摺り込まれてしまったような感覚に陥った。ずっと、その気持ちにわざと知らぬフリ 4821

    れんこん

    DONEフェイスを好きになった女の子とビリーのお話ふんわりとやわらかく閉じられた瞼のその先に、長く繊細なまつ毛がかかって、綺麗な影を作っている。整った形をした眉毛が少し緩んで、なんとなくあどけない印象。……普段はずっと大人っぽくてセクシーなのに、今は年相応の同級生の男の子の顔をしている。半開きの唇は眠っていても尚色っぽく、見ているだけでドキドキとする。
    さわやかな風がその艶やかな黒髪を撫でて、さらりと靡くのがまた彼の持つ格好良さを引き立てる。

    いつも落ち着いて読書をするために選んでいるなんてことない木陰が、今だけ王宮の一角かと錯覚してしまうくらい。その黒髪の王子様はとてもきれいに眠っていた。

    きれいなのに甘やかで可愛らしさ格好よさも全てがそこにあって、全てに目を奪われる。
    永遠に時が過ぎなければいいと初めて思った。ずっとこのまま見ていたいと。

    そう思った矢先に、重たい瞼がゆっくりと開かれて、その色っぽいピンクトルマリンの瞳が外に晒された。特徴的な下まつ毛は艶やかで、気怠げで、でも可愛らしい。
    見ていたのを気付かれないように慌てて本を目の前に持っていく。

    彼は気付いてないのか、くぁ、と小さくあくびをして立ち上がる。その所作すら高 4532