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    プログラミング

    ひれかつ

    MOURNING「持ち主を好きになるようにプログラミングされてる」ってネタ、苦しいけど大好きですという話のマスカイ(もしくはカイマス。どちらにせよ未満。マスターの性別は特に決めてない)。
    途中、救いが無さすぎて悩んで、急にハッピーエンドの方へ舵を切ったので、わりと無理やり気味。
    「冗談言わないでよ、真面目に悩んでるんだから」
    「俺はマスターのことが好きですよ」と告げて、少し間があったと思ったら、苦しそうな声でそう言われてしまった。
    「冗談…じゃ、ないです…!俺は、本当に…!」
    「ああごめん。言い方が悪かったね?好きでいてくれるのは嬉しいよ。まだろくに歌わせてあげられてないのに、嫌われてないんだなと思えて」
    「そ、そんな…ことが……聞きたかったんじゃ…」
    せめて、「ごめんね、その気持ちには答えられない」と言われるなら良かった。でも、どうして
    「ボーカロイドは人に扱われるロイドなんだから、マスターを好きになって当然じゃん。注意書きにも書いてあるんだよね、『マスターである貴方に忠実に従うため、ボーカロイドは貴方に好意を持っています』って。注意書きにあるってことは、ボーカロイドのその感情は、万が一に、相手がいるマスターにとって不都合になり得る、ってことなんだよね。つまり、ただの友愛じゃなくて、ちゃんとした恋慕に近い好意なわけだ」
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    dentyuyade

    DONE陶芸家とプログラミング関係の仕事の男が、ひとつ屋根の下でもたもた幸せになる話です。志筑と佐野の話。
    スポットライトの下、ろくろを回せ放っておけない人という風に分類される人間というのは、世の中にいかほどの割合で存在しているのだろうか。少なくとも自分は含まれていないのだろう。よく言えば面倒のかからない人、悪く言えば個人主義。そう言ったように自分が見られていることを、志筑はこの二十数年の人生でぼんやりとではあるが理解している。放っておけない人、というのはつまるところ、魅力的な人間ということだ。どこか危うくて、目を離しておけない。絶対的な何かを持つ、大衆ではない人間。
    「……」
    スポットライトが当たるなら、きっと彼だと思った。自分の、この退屈な人生の中で光に照らされているのは間違いなく彼だった。初めて会ったとき、美術部のくせにキャンパスに向かわないで一心不乱に何かの図面を描いていた彼を見て、志筑はそう確信したのだ。真摯な横顔が、今でも手に取るように思い出せるのはきっと、あの日から未だ舞台照明は彼だけを馬鹿真面目に追い続けているから。自分に向かない視線が好きだ。他の何も映さないでいる、きれいな瞳が。
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