メンヘラ？躁状態

うん、うん。じゃあ明日10時に駅集合ね！わかった！

明日楽しみだね！！

え・・・？「おやすみ」・・・？

待って待って待って待って！！

ねぇねぇ、もうちょっとお話しようよ！

そう、寂しいからお話したくって！

何なら一緒に寝落ちしたいの！

いい？いい？やったぁ！へへっ♪

あっ、お話ね！う〜んと、今日ね今日ね！アニメ見たのアニメ！

それがね、すっごいいいお話でね！好きな人のために色々頑張る女の子のお話なの！

それ見ててさ、すっごい胸がキュンキュンしたのね！

そういうシチュエーションっていうかさぁ、なんか一緒にやってみたいなぁって！

うん！今度お泊りとかするときにでも一緒にやろ！

やっぱさ！そういうのってさ！本格的にやったほうが楽しいと思うの！

刑事はかく語りき１８８８年　イギリス

「また、か……」
男は口先に咥えたタバコから白い煙を吐き出しながら小さく呟く。空はスモッグに覆われ、その向こうからは灰色の光がうっすらと差し込み、辺りを照らしていた。もう一度、男は深く息を吸い込む。肺に充満する苦い煙が慰めのようにも感じた。
８０年代に入り、イギリスではヤードを悩ます事件が頻発していた。アイルランド独立派による爆弾騒ぎに、貧困による群衆騒動と毎年のように記事のネタに事欠かさずにいた。そして今回のこともまた、記者たちの格好のネタとなるのだろうとヤード、ひいてはそこに席を置く男にとって、ひどく悩ましい頭痛の種となっていた。
「警部！」
少し遠くで男を呼ぶ声がする。視線をやると先程まで押し掛けていた野次馬たちを相手にしていた若い男がこちらに向かってくるところだった。