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    ボンボン

    せがわしょうこ

    MOURNING架空戦国時代の武将が現代の霊媒少女に呼び出されてボンボンを守る話
    今日から俺が美少女戦士!今日から俺が美少女戦士!



     火の手が上がる。
    「千代丸様!」
    「権左、やめろ!」
    「いやあ、槍の腕では負けませんよ」

    「あんたはいずれ名君になる人だ。こんなところで、死んじゃあならんのです」
    「いやだ、権左、権左……!!」


     無数の矢が身体中に刺さり、今度はその上からずぶりずぶりと槍で刺し貫かれる。それでも先に進ませぬようにと立ち塞がった。ああ、弁慶の最期もかくあったのだろう。目の前が暗く霞んでいく中で、ただ、千代丸様の鈴の音のような声が頭に響いていた。
     ああ、千代丸様、俺の死などで泣かんでください。女の袿を被るなり、何なりして、逃げてくれ。そして、夢見たような理想の殿様になって……。


     殿様の可憐なお小姓が、俺に肌を許し、その上で自分の夢を語った。領民を蹂躙させてなるものか、などと理想を熱く語るその美しい姿に、いつしか見惚れてしまっていたのだ。五年前に死んだ俺の妻も、新たな主人を尊ぶことを許してくれるだろう。このお勤めが終われば、千代丸様の臣下としていただけるよう殿に打診しようと思っていた。
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