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    ライナー

    おにきゅ

    DONEクライナーチャレンジもどきをする先生とタルが書きたかった話!
    酒を口移し(仮)しています。
    えっちな雰囲気をかもせていたら嬉しいので、ゆるっとR-15くらい(希望)
    【鍾タルワンライ1023「酒」「毒」】
    鍾タルワンライ「酒」「毒」カラン、と来客を告げる鐘が鳴る。ぐるりと視線を巡らせるとすし詰めのような人数の男たちが、酒瓶を片手に大騒ぎをしていた。目的の人物の姿はない。さて、どうしたものかと思案していると「やぁ、」と気安い声が掛かる。視線を声のした方に向けると、手に小さな小瓶を持ち、頬を僅かに赤く染め、吐息に酒気を混ぜた赤毛の男が片手を上げてにこやかに笑っていた。

    「公子殿。これはどういう状況だ」
    「どういうも何も、見ての通り。ただの酒盛りさ」

    大げさな身振りで肩を竦めてみせる。

    「部下の労いの為に『俺のおごり』って連れて来たら、随分と溜め込んでいたものがあったみたいでね。羽目を外して、あのザマだ」

    あの、と視線で指し示す先では幾つもの空瓶が転がり、一方では脱ぎ始め、一方では口喧嘩。隅の方では既に深い眠りについた相手に「なぜ俺は彼女が出来ないのか」と延々愚痴っている様子も漏れ聞こえてくる。混沌としか表現できない光景を見た鍾離は柳眉をひそめ、それを見たタルタリヤから軽やかな笑い声が上がる。
    2016