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    リッツ

    ya_so_yan

    DOODLEテキ、ジン、ウォカ三人組、在りし日にこんなこともあったらいいな〜というお仕事のお話。
    スピリッツ乱交祭りの賑やかしに、健全な乱交(???)を書こうと思ったんですけど、結局ただの仲良しサンコイチになりました。

    ※なんか兄貴が甘いかも……(いつものこと)
    ※時代的に一部の表現が昔風になっていますが他意はありません。
     ここまで面倒なことになるとは思わなかった。


     自身の身幅より太い柱にぴたりと背中を押し付けて座り込んだウォッカは、アタッシュケースを抱きしめるように抱えながら、両側を掠めていく弾丸をやり過ごしている。

    「くそッ……おぉい、無事かァ!?」

     廃工場に響き渡る、銃声に罵声に怒声――ひどく騒々しい中、少し離れた廃材の山に向かって声を張り上げる。

    「なんとか生きとるわぁ!!」

     威勢のいいダミ声が返ってきた。物陰で大柄な体を低く伏せ、帽子を頭に押し付けながら、テキーラも同じく銃弾を避けている。


     某国での仕事の最中、ウォッカとテキーラは想定外の事態に巻き込まれていた。
     もちろん、これまで敵対する組織や捜査機関と数々の争いを繰り広げてきた二人は、あらゆる事態に備えてはいた。そうはいっても、直接自分たちとは関係ない、取引相手と対抗するマフィアが武装して襲撃してきたのは予測できなかったし、どうしようもない。取り引き自体は成立した直後だったのが不幸中の幸いだった。
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